シーズンの最後に待っていた「敗戦の記憶」。横浜FCユースの圧倒的ムードメーカー、DF家田唯白は1年後のファイナルへの帰還を誓う
ゲキサカ / 2024年12月16日 18時53分
それでも、大津は強かった。32分に家田の頭上を通過したクロスを、山下景司に叩き込まれると、45+4分にはまたしても山下にロングシュートを決められる。ファイナルスコアは0-3。「シュートも相手の本数の方が多かったですし、自分たちが受け身になってしまったところもあったので、自分たちが1年間積み上げてきたものがあまり出せなかったです」。家田は先輩たちが涙を流す傍らで、唇を噛み締めた。
今季は決して順調なシーズンを送ってきたわけではない。リーグ戦でも第4節まではベンチスタート。第5節の大宮アルディージャU18戦でスタメンに抜擢されると、チームもきっちり勝利を収め、以降も一時期は定位置を明け渡したものの、後半戦は完全にレギュラーに定着し、プレミアの舞台で経験値を積み重ねていく。
「前期の最初の方は試合に出られていなくて、正直悔しかったんですけど、チームを盛り上げたりしながら、チームのために貢献していれば出番は来るかなと思っていました」。本人も語っているように、この人の大きな武器は『チームを盛り上げる』ポジティブなエネルギーだ。
ある日の練習後のこと。ユースの練習に参加しているウクライナ人GKのヤリクをみんなで囲み、何やら盛り上がっている。その輪の中心にいるのはもちろん家田。片言の英語とジェスチャーでコミュニケーションを取りながら、周囲の笑いを誘っていく。そんな光景を見ていた和田拓三監督は「まあ、ああいうヤツです(笑)」と笑顔を浮かべる。
プレミアリーグEAST第20節。負ければリーグ優勝の可能性が潰える首位・鹿島アントラーズユースとの大一番。実に11試合ぶりにスタメンを外れた家田は、アップエリアからピッチの選手たちを大声で鼓舞し続ける。そのうえ、向けられたカメラに気付くとポーズを決める余裕まで。それを見た周囲にやはり笑顔が広がる。
勝利を飾り、優勝への可能性を繋いだ試合後。キャプテンのDF小漉康太(3年)は「前日の練習から(家田)唯白たちが盛り上げてくれて、全員で勝てたことも良かったです」ときっぱり言い切る。「ベンチスタートだった時でもアピールして試合に出たいなという想いはありましたし、それなのに試合に出た時に自分が静かになっていたら意味がないので、いつでもみんなの気持ちが落ちそうな時に声を掛けるようにはしています」。そう話す家田の存在は、いろいろな意味でチームに絶対欠かせない。
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