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「あそこを決め切るか、決め切れないかで選手の価値が変わってくる」 横浜FCユースFW庄司啓太郎がファイナルの舞台で痛感したストライカーの重責

ゲキサカ / 2024年12月16日 21時5分

 昨シーズンのリーグ戦では17試合に出場して、記録した得点はわずかに1点。望んだような結果が付いてこなかったシーズンを受け、「今年はゴールを獲る年にしようと」一念発起。ペナルティエリアの中へ飛び込んでいく回数も意識的に増やし、その精度を高めるためにシュート練習も繰り返してきた。

 結果として今季のリーグ戦では全22試合にスタメンで登場し、チームトップタイの7ゴールを積み上げたが、自身の中ではさらなる向上の余地を感じていたという。「自分は二桁ゴールが目標だったので、去年と比べて点は獲れたんですけど、もっと獲れるシーンはありましたし、決め切るところは自分の課題で、ゴール前のクオリティはもっと磨いていきたいと思った1年でした」。

 大一番で巡ってきた決定機。仕留め切れなかった後悔が、庄司の心の中を駆け巡る。「あそこを決め切るか、決め切れないかで選手の価値が変わってくると思うので、そこは一生後悔するというか、メッチャ悔しいですね」。チームはそこから2点を奪われ、0-3で敗戦。みんなで目指した日本一には、届かなかった。


 試合後のセレモニー。自分たちの表彰中は懸命にこらえていたものの、大津の選手たちがカップを掲げて喜ぶ姿を見ていると、もう我慢できなかった。「やっぱり相手の9番の選手は自分と比べられると思っていた中で、この試合で違いを見せられましたし、表彰台の下から見る光景は本当に悔しかったですね」。こぼれてきそうな涙を、両手でそっとぬぐった。



 高校卒業後は関東の強豪大学への進学が予定されている。トップチームへの昇格は叶わなかったが、ここから積み上げていく4年間でさらなる成長を重ねて、必ずプロサッカー選手へと続く扉をこじ開けてみせる。

「自分はストライカーとして、これからはより数字を出さないといけないと思いますし、このユースでの3年間、横浜FCアカデミーでの7年間で学んだことを生かして大学でも頑張りたいです。ユースで日本一は成し遂げられなかったので、今度は大学で日本一を獲りたいですし、やっぱりゴールを獲れる選手になりたいですね」。

 2024年の横浜FCユースを逞しく支えた3年生エース。もっと得点を決められるような、もっと勝利を手繰り寄せられるようなストライカーへと進化を遂げるため、庄司啓太郎はファイナルの舞台で突き付けられた悔しさを背負って、輝く未来へと向かっていく。



(取材・文 土屋雅史)
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