“昌平の控え”から筑波大蹴球部へ、Iリーグ最終節で一度は引退決断も…「このまま終わってしまうのかなと思っていた」4年生DF津村岳杜が感慨のインカレデビュー
ゲキサカ / 2024年12月21日 15時25分
[12.18 インカレ決勝ラウンド第3節 九州産業大 1-5 筑波大 ミクスタ]
5-1の大量リードでベスト8入りが決定的となっていた筑波大は後半23分、フューチャーブルーのユニフォームに身を包んだ背番号3がピッチ脇に立つと、スタンドの応援団から一際大きなチャントが巻き起こった。投入されたのは、入学から今季終盤戦までトップチームの出場機会が一度もなかったDF津村岳杜(4年=昌平高)。2か月前に一度は引退も決意していた男が、ようやく日の目を浴びる瞬間が訪れた。
「全部員が目標としているインカレ出場というものをこの北九州で達成できて、グッとくるものがありました」(津村)
津村は最終学年を迎えた今季、セカンドチームが出場するインディペンデンスリーグ(Iリーグ)1部Dブロックで活動し、トップチームが出場する関東大学リーグ1部の試合にはなかなか絡めず、そのままシーズンを終えようとしていた。10月20日には約500人の大観衆が詰めかけた筑波大学第一サッカー場で、Iリーグ最終節の東京国際⼤戦に出場。本来はそこで蹴球部を離れる予定だったという。
「トップチームでもやれる自信はあったけど、なかなか呼ばれることはなく、今年もチャンスがないのかなと考えて、終わり方としては最後にIリーグで、地域の子どもたちがたくさん来ている中でサッカー人生を終えるのが綺麗な終わり方かなと考え、一度は引退していました」(津村)
ところが数日後、小井土正亮監督と同級生でもある戸田伊吹ヘッドコーチから引き留めの声がかかった。伝えられたのは「後悔が少しでもあるなら一緒に戦ってほしい」という言葉。面談をした後には1週間以上にもわたって悩んだが、やはり未練を埋めたい思いは強く、2週間後にトップチームの一員として練習に入った。
実は昌平高時代にもトップチームのレギュラーを奪えず、3年時の全国高校選手権ではベンチ入りしながらも出場なしに終わった津村。奮起の思いでサッカーを続ける決意を下すのは、その時以来のことだったという。
「高校ではベンチの中でも序列が高くなくて、選手権でも一回も試合に出られなかった。ただそれが本当に悔しくて、もともと高校でサッカーを辞めようと思っていたくらいだったけど、こんなんじゃ終われないよねと筑波に入りました。それでも3年半は一度もトップチームのユニフォームを着ることができなくて、このまま終わってしまうのかなと思っていました」(津村)
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