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強風下でも積極性貫いた筑波大GK佐藤瑠星、名門背負う最終学年への決意「強み、存在感、スケールをもっと圧倒的なものに」

ゲキサカ / 2024年12月24日 15時59分

筑波大GK佐藤瑠星

[12.22 インカレ準々決勝 筑波大 0-0(PK4-5) 明治大 さくらスタジアム]

 吹き荒れる強風の中でも好セーブを続けた守護神だったが、最後はPK戦で涙をのんだ。大学屈指のセービング能力を誇り、J1クラブ入りが確実視されている筑波大GK佐藤瑠星(3年=大津高)は試合後、「今まで取り組んできたことを全て試合で出したので、悔いはない」と力強く言い切った。

 関東大学リーグで王座を譲った明治大との一戦。今季の関東ベストイレブンに輝いた佐藤はピッチを縦断する強風の中でも積極的な姿勢を失わず、ハイボールに対しても安定したキャッチングを続け、0-0のまま時間が過ぎる試合の中で存在感を放っていた。

「こういう大事な試合でも自分のやるべきことは変わらないというマインドでいつもやっているし、(強風というコンディションの中でも)当たり前のようにやっていかないといけないのでそこは意識している」(佐藤)

 延長前半12分には自身の飛び出しからこぼれ球を相手に拾われ、相手の決定的シュートをDF小川遼也(2年=富山U-18)のブロックに救われるという場面もあったが、「自分のプレーを見失ったらそこで終わり」と揺らがず。風下の延長後半でも相手のセットプレーをことごとくキャッチし、メンタル的な能力の高さも示す一戦となった。

 大会を通じては、グループリーグ第3戦・九州産業大戦でもこの日と同様、飛び出してパンチングした後の流れから失点を喫するなど課題は残った。ただ、幅広い守備範囲は現代型GKの必須能力。「飛び出すか、飛び出さないか」の判断ではなく、「飛び出した上でどう守るか」という高い視座を持ち続け、さらなる成長につなげていく構えだ。

 だからこそ佐藤は、失点に直結する2つのピンチについても「まだまだ技術が足りなかった。その後のカバーリングに助けられたことは感謝しているけど、個人としてもっと突き詰めないといけない」と真摯に総括。「自分が出られるボールは出ていく上で、弾き方、弾く場所さえ意識していれば自分のところで解決する」という理想像を掲げた。

「結果論として『出なきゃ良かった』というのもあるかもしれないけど、自分はそうした強みを活かしてやっていきたい。(同じ結果論でも)『出て良かった』という結果で終わらせるプレーを心がけていきたい」(佐藤)
圧巻のハイボール処理を見せるGK佐藤瑠星
 卒業後はJ1クラブへの加入が確実視されている中、自身に求めるのは広い守備範囲を実現させる「準備の質、技術の質」だ。「プロに行くにあたってワンランクスピードも上がるし、質も上がるので、もっと準備の速さを意識しないといけない。」。飛び出した後の戻り方、戻った後のポジショニングにもこだわって取り組んできており、これからの1年間でさらに洗練させていくつもりだ。

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