大学で躍動する前橋育英高“21年卒”…コロナ禍直撃でプロ入り断念、選手権予選敗退の絶望、神戸内定MFの存在、4年経て“黄金世代”に
ゲキサカ / 2024年12月25日 5時0分
[12.22 インカレ準々決勝 日本大 1-2 新潟医療福祉大 栃木市総合運動公園陸上競技場]
2021年春に前橋育英高を卒業した世代は、来春に大学を卒業する。4年を経てJクラブ内定者が多数出る“黄金世代”に成長。日本大FW熊倉弘達(4年/甲府内定)は「群馬県の選手権予選がベスト16で終わった。それがみんなひとつ大きかったのかなと思う」と振り返った。
最後のインカレで50mのスーパーシュートを決めた。熊倉は前もって相手GKが高い位置にいることを確認。後半31分、まだゴールから飛び出していたGKを視野に入れると、センターラインから右足を振り抜いた。「風もあったので振ろうと。フワンとならないようにライナーの球を蹴れればいいと思った。そこだけを意識していた」。強風に乗ったボールは、GKの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。
熊倉自身にとっても初めての超ロングシュートで先制したが、日大は終盤の2失点で逆転負け。「相手がガっと出てきたところを自分たちが受けてしまった。相手の土俵で最終ラインが引いてしまって、セカンドボールも拾えない。最後の負け方は……日大っぽい感じでしたね」。今大会4点目となるスーパーゴールは勝利に結びつかなかった。
「自分はチームを勝たせることがひとつの仕事。こういう得点を決めたからといって、チームが負ければまったく意味のない得点。1-0で勝つ試合の得点を決められることが一番。そういう意味では全然足りなかった」
今大会の総括をしながら、熊倉は前橋育英の同期の顔を思い出す。「高校のみんなの活躍を見ていると、稲村(隼翔)、新井(悠太)、(中村)草太、チームを勝たせている選手が多い。もう一個のシュートのところ、チームを助ける部分はずっと意識しながらプロでもやっていくと思う」。同期からの刺激を受け、来季からはヴァンフォーレ甲府でプロキャリアをスタートさせる。
熊倉と、日大でともにプレーする双子の兄・熊倉弘貴(横浜FC内定)は、2021年に前橋育英を卒業した。前述した東洋大DF稲村隼翔(新潟内定)、東洋大MF新井悠太(東京V内定)、明治大FW中村草太(広島内定)は同期。ほかにも北陸大MF村田迅(金沢内定)、中央大GK牧野虎太郎(長野内定)と、前橋育英21年卒から多くの選手が来季からJリーグの舞台に上がることになった。
才能ひしめく黄金世代だが、その一方で高卒でプロに行ったのはヴィッセル神戸に加入したMF櫻井辰徳(現鳥栖)のみだった。高校2年次にエースナンバー14番を着け、世代別代表にも招集されていた櫻井はいち早く神戸の練習に参加。翌20年9月には神戸への加入が内定した。だが、ほかの選手たちは3年次にコロナ禍が直撃した。ポテンシャルの高い選手たちは練習参加の声こそかかっていたが、未曽有の事態に振り回されることになった。
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