東北学院が42年ぶり選手権勝利! 80分引き分け即PK見込んで「キーになるセットプレー」で2発、4大会連続出場の奈良育英を撃破
ゲキサカ / 2024年12月29日 22時47分
[12.29 選手権1回戦 東北学院高 3-1 奈良育英高 ニッパツ]
第103回全国高校サッカー選手権は29日、1回戦を各地で行った。ニッパツ三ツ沢球技場の第2試合は東北学院高(宮城)が奈良育英高(奈良)に3-1で勝利。42年ぶりに選手権で白星を挙げ、橋本俊一監督は「ひとつ鬼門と言われている1回戦を勝つことができて、大変うれしく思う」と笑みを浮かべた。
選手権出場は37年ぶりとなった東北学院。4-4-2の布陣で、GKは橋本脩礼(3年)、4バックは左からDF渡邉幸輝(3年)、DF吉田健太郎(3年)、キャプテンDF阿部幹大(3年)、DF壱岐翼(2年)。2ボランチはMF菅原心汰(3年)とMF杉山和勢(3年)。サイドハーフは左がMF嶺岸颯人(3年)、右がMF佐々木智貴(3年)。2トップはFW岡元龍太(3年)とMF佐藤成真(3年)が並んだ。
奈良育英は4大会連続出場も、直近2年は無得点で初戦敗退。勝利を目指して4-1-3-2の布陣を敷く。GKは内村篤紀(2年)、4バックは左からDF植村翔輝(3年)、DF谷川琉希也(3年)、DF竹田秦(3年)、DF仲谷陽馬(2年)。アンカーはDF西澤雅楽(2年)、2列目は左からMF有友瑠(3年)、MF水津煌人(3年)、MF森嶋大琥(2年)。2トップはFW堀大輔(2年)とFW藤川陽太(3年)が立った。
前半7分、東北学院がスコアを動かす。PA手前でFKを得るとキッカーは佐藤。右足キックをゴール右隅に沈め、先制に成功した。
だが、奈良育英も食らいつく。前半アディショナルタイム2分過ぎ、右サイドから攻撃を仕掛けると、敵陣中央でボールを収めた森嶋がPA左に展開。走り込んだ藤川が左足でニアサイドに決め切り、1-1と試合を振り出しに戻した。
そのまま後半に折り返すと、次にスコアを動かしたのは東北学院。後半7分、右CKを水津が右足で蹴り、ゴール前でフリーになった阿部がヘディングシュートを叩き込む。デザインされたセットプレーで2-1と勝ち越した。
拮抗した展開が続くなか、東北学院は後半36分にダメを押す。GK橋本が自陣からロングキックを飛ばし、最前線の佐々木が収める。そのまま突破を図り、GK内村との1対1を制すシュート。3-1で点差を広げた。
試合はそのまま終了し、東北学院はベスト8入りした1982年以来42年ぶりに選手権で白星。橋本監督は大きなチャンスを作れるセットプレーの意義を強調する。「80分で即PKという流れのなかで、セットプレーがキーになることはチームに伝えていた」。仙台を出発した後も、関東で多くの時間を割き、セットプレーに磨きをかけた結果が出た。
チームは初戦前日にミーティングを行ったという。そこで選手たちは思いの丈を語って涙。また、指揮官も「僕もずっと涙で……」と泣きはらしたことを明かす。「1時間半くらいミーティングをしたけど、それですごくチームがまとまった。ここからまたチームで一丸となって戦っていければ」。1回戦に全力を尽くしたため、2回戦の分析はこれから。橋本監督は「まずはしっかり振り返って、自分たちのサッカーができるようにいい準備ができれば」と次戦・滝川二高戦に視線を向けていた。
(取材・文 石川祐介)
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