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掲げた合言葉は「福井のサッカーを変える」!17年ぶりの選手権を戦う福井商が披露したプレミア王者に敢然と立ち向かう覚悟 

ゲキサカ / 2024年12月30日 16時37分


 迎えたハーフタイム。チームには「オレたちもやれる」という雰囲気が湧き上がっていた。「理想は0-0だったんですけど、1失点ならまだということで、子どもらもまったく諦めていませんでしたし、ハーフタイムの雰囲気も悪くなくて、しっかり粘り強く守って、ワンチャンスを決めに行くというところは、みんなで決意して臨みました」(高木監督)。選手たちは堂々と後半のピッチへ飛び出していく。

 攻撃の狙いも明確だった。スピードのあるFW平田海成(3年)がプレスのスイッチを入れたタイミングで、トレスボランチ気味に並んだMF杉田友輔(3年)、MF坪田太陽(3年)、MF高木那由多(2年)の3枚も連動して前からハメに行くイメージを共有。とはいえ、どうしても相手の強烈なアタックを浴び続け、後ろに重心が掛かってしまい、人数を掛け切るまでには至らない。

 後半21分に2失点目を、30分に3失点目を献上。攻めるしかなくなった福井商の選手たちは、ピッチの中で自主的に考え、前の人数を増やす決断を下す。その姿を見た指揮官は、彼らの成長を強く感じたそうだ。

「最後に点数を獲りにいかないといけない時に、もう後ろを5枚にしたりと、自分たちで判断してしっかりやってくれていたのを見て、以前は言われるがままにやっていた子たちが、自分で考えて、自分から動き出すようになってくれたというのが、本当に一番成長したなと思います」

 終盤にはもう1点を追加され、ファイナルスコアは0-4。「何とか凌いで、後半ワンチャンスを決めに行くというところは、みんなで決意して臨んだんですけど、大津さんの方が一枚も二枚も上手でした」(高木監督)。17年ぶりとなる福井商の全国挑戦は、80分間で幕を閉じることとなった。


「本当は今まで1年間やってきたサッカーで戦わせてあげたかったんですけど、私がこの戦い方を選んで、子どもたちもそれに納得してくれて、この1か月は本当に練習にも一生懸命取り組んでくれたので、彼らには本当に感謝しています」。試合後の取材エリアに現れた高木監督は、少しだけ目を赤くしてこう語る。

「もちろん1年間やってきた攻撃的なサッカーをしたいという気持ちも、たぶんみんなの中にあったんですけど、それでは日本一のチームに勝てないというのが福井県の高校の現状ですし、こういうサッカーをしても負けてしまうということを考えると、自分たちのやり方で全国でも通用するようなサッカーができないといけないと思うので、来年からはさらにレベルを上げて、全国でも勝てるチームになってほしいなと思います」。キャプテンの谷田は現状を冷静に見極めつつ、後輩たちへの期待を口にする。

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