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「2回のチャンス」を生かせずにすり抜けていった全国初出場初勝利。寒川は新たに突き付けられた未来への宿題を「乗り越える」

ゲキサカ / 2024年12月30日 19時27分

 それでも伊藤は「確かによくやったなと思うんですけど、僕たちは香川県を代表して全国に来ているので、やっぱり初戦に勝って、香川県の皆さんに良い報告をしたかったので、その部分では心残りはありますね。学校の歴史は作ったんですけど、まだまだやれた部分はあったと思います」ときっぱり。初戦突破の景色ははっきりと見えていただけに、心残りがないとは言い切れない。

 寒川の応援スタンドがある側のゴール裏には、いくつものビッグフラッグが掲げられていた。『最後は人間性』『自ら学べ』『苦境に勝つ』。印象的なメッセージが並ぶ中で、一番前に陣取っていたのは『乗り越えろ』。これが今シーズン、2024年シーズンの寒川が定めたスローガンだ。

「アレはその学年の色を出しているんです。今年の学年はリーグ戦でも負けが込んだり、良い時でも先に失点してズルズル行ったりするところがあったんですけど、そういった時に、伊藤を中心に『乗り越えろ』という声が出ていたので、そのフレーズをそのままビッグフラッグにしました。あれは毎年毎年の3年生のスタイルです」(岡田監督)

 乗り越える。この日の敗戦の言いようのない悔しさを。乗り越える。この日の敗戦で突き付けられた全国勝利という新たな壁を。

 伊藤は試合後、チームメイトにこういうメッセージを送ったという。「『これで終わりじゃない』と。『これからの人生も今日のPK戦のように、あっという間に過ぎ去っていくから、今を大事に前に進んでいこう』ということと、新人戦がすぐ始まる下級生には『もう1回この場に帰ってこられるように、しっかり胸を張って帰ろう』ということは伝えました」。ここからはまたそれぞれが、自分の思い描いた未来に向かって歩き出していく。

「彼らは頼もしかったですね。僕も高校生に戻ったというか、青春をさせてもらっているなと。生徒たちには本当に感謝しています」。岡田監督が笑顔とともに口にした言葉は、偽りのない本心だろう。

 ここから足を踏み入れていくのは、全国の舞台で勝ち切るための新たなステージ。青春の主役は、いつだって自分自身。寒川は壮絶なPK戦での敗退という得難い経験を胸に、次の大きな目標に向かって、目の前に立ちはだかる壁を乗り越えていく。

(取材・文 土屋雅史)
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