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前橋育英は土壇場で同点弾献上もPK戦で薄氷の勝利。愛工大名電は勝利目前での敗退も会場を魅了する躍動感を披露

ゲキサカ / 2024年12月31日 22時17分

「『やってきたことを出せばいいんだ。そこのチャレンジを見たいんだ』と宮口先生がハーフタイムに言ってくれました」(蒲地陽汰)。一方の愛工大名電は少しずつ相手のプレースピードにも慣れ始め、FW杉本悠悟(1年)やMF蒲地壮汰(3年)の推進力を軸に攻撃の回数が増加。チーム全体に勇気の灯がともっていく。

 21分。しつこいハイプレスから杉本が獲得した愛工大名電の左FK。チームの心臓部を担うMF三岡優(3年)が丁寧に蹴ったキックへ、途中出場のFW岩間丈一郎(3年)がニアに飛び込むと、頭に当てたボールは左スミのゴールネットを鮮やかに揺らす。2-1。沸騰する紫のスタンド。勝敗の行方はたちまち不透明感を増していく。

「3点目が取れずに、次の1点を相手に獲られてしまって、そこで相手が勢い付いてしまった感じがありました」(石井)。愛工大名電は攻める。とりわけ左サイドでDF中根陽向(1年)と蒲池壮汰が躍動。ボルテージを増した応援団の声援も後ろ盾に、同点への意欲を前面に押し出していく。

 すると、最終盤に絶好の同点機が訪れる。40分。縦パスに巧みなターンで抜け出したFW水野桜介(3年)がエリア内でマーカーともつれて倒れると、主審はペナルティスポットを指し示す。土壇場で手にしたPKのチャンス。キッカーの蒲地壮汰は確実に右スミへ流し込む。2-2。同点。3回戦へと進出する権利は、PK戦で争うことになる。

愛工大名電はMF蒲地壮汰(7番)が執念の同点PKを沈める!

 真価を発揮したのは愛工大名電の“PKキーパー”だ。同点直後に投入されたGK相原諒(2年)は前橋育英の1人目と3人目のキックを完璧にセーブ。「あれは計算通りです。あれができるのが相原なので」と宮口監督。采配がズバリ的中する。

 4人目が終わった段階で、3-2と愛工大名電が1点をリード。外せば負けが決まる先攻・前橋育英の5人目はきっちり成功。決めれば勝利となる愛工大名電5人目のキックは、しかし枠外へ。白熱の好勝負はまだ終わらない。

 6人目、7人目はどちらも成功。前橋育英8人目もゴールネットを揺らし、迎えた愛工大名電8人目。ここでタイガー軍団の守護神が魅せる。「もう真ん中は捨てていたので、右か左かどっちかに飛ぼうと。最後はもう『右に来る!』と思ったので、思い切り右に飛びました」。右に飛んだ藤原がボールを力強く弾き出す。

「上に行くには必ずPK合戦はあると思っていましたけど、特に後半の内容を考えても、本当に勝てて良かったかなと思います」(山田監督)。後半は会場の空気をも支配した愛工大名電の健闘、実らず。崖っぷちから甦った前橋育英が、辛うじて3回戦へと駒を進める結果となった。

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