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「すごい感慨深かった」U等々力に戻ってきた元川崎F U-18の帝京DF田所莉旺、10172人前に完封勝利

ゲキサカ / 2024年12月31日 22時31分

かつてのホームに戻ってきた(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 帝京 5-0 金沢学院大附 U等々力]

 川崎フロンターレU-18から帝京高(東京B)に転籍したDF田所莉旺(3年)がUvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(U等々力)に戻ってきた。「すごい感慨深かった」一戦でクリーンシートを果たし、5-0の勝利に貢献。10172人の観衆が足を運んだ“ホーム”で手応えを感じるプレーを見せた。

 昨季の開幕前に帝京へ転籍。今大会の組合せ抽選会で2回戦から準々決勝までをU等々力で戦えることが決まり「家族とも『何か縁があるかもね』というふうに話していた」。開幕戦をしっかりと勝ち抜き、U等々力に戻ってくることができた。

「久しぶりに等々力に来たなというところで、小学生の頃はスタンドでプロの試合を見ている側だった。高校生くらいからプレーする側になってやっぱり良いスタジアムだな、良い雰囲気だなと感じる中でチームは変わりましたけど、こういうところでプレーできるのはすごい感慨深かった」

 帝京の横断幕が掲示されたエリアには田所の川崎F時代の横断幕もあった。「ああいったのを用意してくれるのは本当に嬉しい」と本人の目にも留まった様子。チームとしても久々の完封勝利で応援に応える形となり、「辞めてから去年選手権に出られなかった分、テレビで自分を見てもらう機会はあまり多くなかった。そういう面で等々力で(活躍を)見せられたのは良かった」と笑みを浮かべた。

 相手には川崎F U-15の同期であるGK石山アレックス(2年/富山一高からの転入)がおり、試合前に言葉を交わしていた。田所は「本当は点を取ってやろうと思っていたんですけど、DFなのでチャンスはなかった(笑)」と対戦を振り返りながら、「お互い成長した姿を見せ合えたのかなと思います。前線の選手が点を取ってくれたので勝てたものだと思いますし、やっぱりリスペクトしている選手なのでアレックスに勝ったことは嬉しかった」と感慨深げに語る。両者が覚悟とともに選んだ道で実現した運命的な試合だった。

 U等々力での2試合目となる3回戦・明秀日立高(茨城)戦は、神奈川で小学生の頃から知るGK重松陽(3年)との「また思い入れのある」一戦になる。田所は「あと2回等々力でやる機会があるので絶対に負けたくないと思いますし、等々力で勝ってまた国立に戻りたい」と力を込め、培ってきた経験を存分に発揮していく構えだ。

(取材・文 加藤直岐)
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