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スーパープレー披露も決定力不足に「大津のFWだったら決めてる」、徳島市立FW鈴木悠哉は大学での進化誓う

ゲキサカ / 2025年1月2日 10時0分

3年連続選手権のピッチに立った徳島市立高FW鈴木悠哉((写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 上田西高 2-1 徳島市立高 フクアリ]

 2大会連続で無得点で選手権を去っていた徳島市立高(徳島)にとって、まずは1つゴールが欲しかった。チーム最初の決定機は、FW鈴木悠哉(3年=サルパFC出身)のスーパープレーから生まれる。

 前半16分、中盤でボールを奪った徳島市立はカウンターへ。左サイドのスペースにMF牛尾律貴(2年)を走らせると、中央を見た牛尾は早めのクロスを選択。2対3の数的不利な状況だったが鈴木にピタリと合うと、鈴木は巧みな胸トラップでボールをおさめる。上田西DFを背負いながらもボールをキープ、目の前のDFを1人かわし、GKとの1対1の状況をつくりだした。しかし、シュートはGK牧野長太朗(3年)の好守に阻まれてしまった。

「前半は固すぎて。監督から『お前らこんな試合でいいんか』と喝を入れられて、それでみんな動き始めた」。2点を追う後半、エンジンがかかってきた徳島市立は上田西高(長野)ゴールに迫る。後半12分には、セットプレーの場面でMF山口凜太朗(3年)のクロスは、絶妙な動き出しでゴール正面にフリーで入り込んでいた鈴木の頭にピタリと合うが、クロスバーを超えてしまった。

「情けない結果で終わってしまっても次はないので、すごい悔しいです」。鈴木の選手権は終わった。

 鈴木は兵庫県から徳島県の高校に進学。「サッカーの環境面も、勉強の面も良くて。ここでサッカーをやりたいと思いましたし、1年生から出てやろうという気持ち」で臨むと、1年時の選手権からメンバーに入り、1回戦の尚志戦(●0-3)で後半からピッチに入り、選手権デビュー。2年時には11番を背負い、1回戦の明秀日立高戦(●0-2)で先発フル出場、最終学年となった今大会は背番号10を担った。

 前述のGKに阻まれた前半の決定機。「GKがつめてきてるところをかわしたり、あの場面で冷静になれないと上には行けない」「大津のFWだったら決めてる」と、鈴木は力不足を痛感する。「自分はもともとメンタルが弱くて。でも3年かけて成長してきて、選手権に向けて仕上がってきていたんですけど、こういう舞台に立って点を決める、そのメンタリティはまだなかった」と自らを分析する。

 河野博幸監督は、「ドリブルで持つんじゃなくて、バチンと打つとか、余裕を持ってループでポンと打つとかね。まだ余裕がないですね。大学で成長してほしいと思います」と期待を込める。

「大迫(勇也)選手のように、おさめて決められる選手」を理想像とする鈴木は、関西の大学に進学する予定だという。「大学に行って、プロになって、またこういうスタジアムでサッカーをしたいです」。非凡な才能の片鱗を見せたストライカーは、高みを目指す。

(取材・文 奥山典幸)
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