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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:頑張っていない人なんていない(堀越高・森章博)

ゲキサカ / 2025年1月6日 12時42分

「リーダーだと自分の目の前でメンバーが決まるわけで、自分が出ることで試合に出られない人のことも見てきましたし、逆に自分が試合に出られないことも経験してきた中で、そこである意味サッカーの厳しさはかなり学べましたね」。試合に出られないことへの悔しさは抱えつつ、一方でリーダーとしてチームをまとめていく役割とも向き合うことになる。

 だが、インターハイ予選の敗退後に竹内がケガで離脱。空いた右サイドバックのポジションに入ることとなった森は、必然的に試合でもキャプテンを務めることが増えていく。

「竹内の代わりにキャプテンをやることになって、『いつもアイツはこんなに仕事をやりながらプレーしているんだ』ということは痛感しましたね。何となくはわかっていたつもりでしたけど、実際にやってみると全然違って、正直大変でした」。

「でも、自分はプレーでリーダーシップを示せるタイプではないので、日常生活のところから周りに態度で示したり、自分ができることを精いっぱいやることで、その姿勢が伝染していって、どんどんみんなの熱量が上がっていくような、“引き立て役”になるイメージを持っていました」。

 高校生でこの役割を過不足なくこなすことが、とにかく大変であることは言うまでもない。ただ、森は “代役”を務めていく過程で、少しずつ自分自身が成長していることを感じていたという。

「インターハイに負けるまでは、自分もサブでそこまで出ていなかったので、試合の経験を積むというところでも、自分にとってはメチャクチャ大きかったですし、堀越のキャプテンマークの重みも知ることができましたね。今まで以上に『自分がちゃんとやらないといけない』という想いも出てきましたし、本当に目線が変わったかなと思います。人間的に成長できたんじゃないかなって」。

 選手権予選から竹内がスタメン復帰を果たしたため、再び森はベンチへと逆戻りすることになったが、もちろん選手として試合に出ることを諦めるはずもない。全国切符を獲得した予選決勝の試合後。「やるからにはスタメンを狙わないといけないですし、自分の持ち味である攻撃参加や運動量は負けていないと思うので、ここから『絶対にスタメンを獲る』という気持ちを持って、やります」。そう言い切った姿が印象に強く残っている。


 迎えた選手権。最後まで背番号13の副キャプテンに出番は一度も訪れなかった。前橋育英に敗れ、スタンドにあいさつを終えたベンチ前。目を赤くした竹内が、森の元へと近付いてくる。「竹内が先頭に立って引っ張ってくれるタイプなら、自分はみんなと一緒にやっていくようなタイプだと思うので、チームを底上げすることを考えてきましたし、タイプが違ったからこそ、自分も竹内と一緒にやってこれたのかなと思います」。

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