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みんなが連れてきてくれた国立で示した45分間の覚悟。戦線復帰の前橋育英MF柴野快仁が繋ぎ切った「勝利のバトン」

ゲキサカ / 2025年1月12日 7時45分

帰ってきた前橋育英高のダイナモ、MF柴野快仁(2年=ウイングスSC出身)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.11 選手権準決勝 東福岡高 1-3 前橋育英高 国立]

 みんなが繋いでくれた“勝利のバトン”を、自分の出番で途切れさせるわけにはいかない。エネルギーは十分過ぎるほどに蓄えてきた。あとはもう聖地のピッチで、それを思う存分解き放つだけだ。

「チームメイトがここまで連れてきてくれて、その間の自分は見ていることしかできなかったので、感謝の気持ちもありましたし、自分は救われた身として、『チームのためにやり切ろう』ということは決めていたので、結果的に勝利できて良かったなと思っています」。

 無念の戦線離脱から帰ってきた、前橋育英高(群馬)の中盤を支えるダイナモ。MF柴野快仁(2年=ウイングスSC出身)は45分間で披露した覚悟のプレーで、チームの逆転勝利の一翼をきっちりと担ってみせた。


「自分に対する不甲斐ない気持ちもありましたし、チームに対する申し訳ない気持ちもありました」。柴野は“空白の3試合”について、そう振り返る。プレミア対決となった初戦の米子北高(鳥取)戦でスタメンフル出場を果たし、ピッチ上で勝利の歓喜を味わった13番の名前は、以降のメンバー表から消えてしまう。

 理由は体調不良。2回戦、3回戦はメンバー外。準々決勝はベンチに戻ってきたものの、試合出場はなし。今季は5月からボランチの定位置を確保し、シーズンを通じてレギュラーとして稼働してきただけに、予期せぬ形で選手権中に離脱を強いられた柴野の心中は察して余りある。

「自分は寮生活で、親元を離れて群馬に来ているので、お母さんやお父さんが応援しに来てくれるこういう舞台で試合に出て、恩返ししたい気持ちがあったんですけど、出れなくなってしまって……。でも、出られない中でも両親は『大丈夫だよ』とか、自分を安心させてくれる言葉を掛け続けてくれたので、チームに合流した時の練習は人一倍気合を入れて、少しでもゲームに出られるように頑張ろうという意識でやってきました」。

 ただ、不幸中の幸いだったのは今大会の日程だ。準々決勝から準決勝までは中6日。体調を回復させ、コンディションを取り戻す時間はたっぷりある。準決勝の前日練習でも一定のパフォーマンスを披露。万全に近い形でこの日のベンチに入っていた。


 東福岡高(福岡)との一戦は、前半から攻撃のテンポが上がらない中で、先制点を献上。1本のシュートも打てないままに45分間が終了すると、ハーフタイムに山田耕介監督は決断。後半のスタートからMF白井誠也(2年)とともに、柴野は国立のピッチへと解き放たれる。

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