最後の最後でAチームへ這い上がってきた努力の守備職人。流経大柏DF幸田爽良に与えられるのは「1つだけのタスクと役割」
ゲキサカ / 2025年1月12日 14時41分
[1.11 選手権準決勝 流通経済大柏高 1-0 東海大相模高 国立]
指揮官から託されているタスクは、与えられている役割は、誰よりも自分が一番良くわかっている。今できることを、100パーセントでやり切ること。それ以上でも、それ以下でもなく、ひたすらそれを貫く。その相手が誰であっても、その舞台がどこであっても。
「みんなが繋いでくれたこの1点を守り切るのが自分の役目だとわかっていましたし、自分が出て失点するということは、絶対に起こしてはいけないと思ってピッチに出ました」。
後半開始から左サイドバックの位置へと送り出された、流通経済大柏高(千葉)が誇る守備職人。DF幸田爽良(3年=クラブ・ドラゴンズ柏U-15出身)は国立競技場の芝生の上でも、自分にできることと全力で向き合っていた。
「いつも通りではないなというのは、みんな見ていてわかったと思うんですけど、プレーがいつもより1つ遅くなったり、強く出れなかったりと、そういうところは見ていて感じました」。試合をベンチから見つめていた幸田は、チームメイトのパフォーマンスにいつもと違う空気を感じていた。
高校選手権準決勝。舞台は日本サッカーの聖地・国立競技場。前半から東海大相模高(神奈川)のはつらつとしたアタックを受け、後手に回った格好の流経大柏は、42分にMF柚木創(3年)のPKで先制したものの、思ったようなペースを掴めないまま、最初の45分間が過ぎ去っていく。
迎えたハーフタイム。榎本雅大監督が決断したのは2枚代え。ボランチにMF稲田斗毅(3年)を、左サイドバックには前半でイエローカードをもらったDF宮里晄太朗(3年)に代わって幸田を、後半のピッチへと送り込む。
「ピッチに立ってみたら全然違いましたね。独特の雰囲気があって、1個1個の歓声も凄いですし、あそこに立っているのに、立っていないような、フワフワした感じがありました」。初めての国立。緊張しないはずがない。懸命に心を落ち着かせ、自分の役割を整理する。
プリンスリーグ関東2部を主戦場に置くBチームでプレーしていた幸田に、大きな転機が訪れたのは選手権予選も終わった11月のこと。インターハイ王者の昌平高(埼玉)と対峙するプレミアリーグEASTの一戦で、ひときわ大きな40番を背負った3年生ディフェンダーの名前が、スタメンリストに書き込まれる。
「最初のプレミアということで、自分も凄くドキドキしましたね。1,2年のころはまったくAチームに絡んだことがなかったのに、そこで初めて使ってもらって、本当に緊張しました」。
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