南雄太GKコーチのアドバイスも胸に腐らなかった守護神の復活劇。GK加藤慶太が流経大柏のゴールマウスを任される意味
ゲキサカ / 2025年1月12日 16時25分
[1.11 選手権準決勝 流通経済大柏高 1-0 東海大相模高 国立]
決して諦めなかった。絶対に腐らなかった。いつだって1つしかないポジションを、仲間と、ライバルと、切磋琢磨しながら争ってきたのだ。目の前の1日で積み上げる努力が、必ずその先の自分を助けてくれると信じて、ただただベクトルを内側に向け続ける。
「あの舞台に立つというのは夢の舞台に立つということで、将来の自分にとっても、いくらでも語れる思い出になると思うので、そういう意味でも国立で勝つことができて良かったと思います」。
全国決勝まで駒を進めてきたチームを力強く支える、流通経済大柏高(千葉)の守護神。GK加藤慶太(3年=柏ラッセルFC出身)はみんなで目指してきた日本一を引き寄せるべく、国立競技場のゴールマウスに立つ。
「特に選手権の予選から凄く成長した選手の1人だと思います。今は見ていて不安感が全然ないですし、練習のパフォーマンスも良くて、自信を持って送り出せる選手です」。今季から流経大柏で指導に当たっている南雄太GKコーチは、加藤についてそう語っている。
今回の選手権では、予選から一貫して流経大柏のスタメンに指名されているが、最高学年になってからここまで加藤が歩いてきた道は、決して平坦なものではなかったと言っていいだろう。
前半戦はチームの好調に比例して、一定以上のパフォーマンスを披露。プレミアリーグEASTでも無敗が続く状況の中で、レギュラーの座をがっちりと確保しながら、勝利の一翼を担っていく。
だが、インターハイ予選の決勝に敗れたことで、流経大柏は後半戦のプレミア再開まで2か月近く公式戦が空くことに。「中断前のプレミアのレイソル戦が0-4だったんですけど、正直その試合の慶太のパフォーマンスがあまり良くないなと思ったので、夏は一度キーパーをフラットに見て、いろいろな選手を使う時期になりましたね」とは南コーチ。同学年のGK松本陸(3年)、年代別代表にも招集されている1学年下のGK丸山ジェフリー(2年)との競争も、今まで以上に激化する。
迎えたプレミア再開初戦。尚志高(福島)とのゲームのスタメンに指名されたのは丸山。そこからの3試合は丸山が、そのあとの4試合は松本が先発で出場し、その間の加藤はBチームが戦うプリンスリーグ関東2部の試合に起用されることになる。
「後期のプレミアの試合も最初からメンバーに入れなくて、途中からはプリンスにも出たんですけど、その中でふてくされずにやれたことは南さんからも評価されていたので、やり続けることができました」。そんな18歳の努力を、百戦錬磨のGKコーチが見逃すはずもない。
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