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試合後の意外な交流のワケは…前橋育英10番MF平林がDMで連絡、アドバイスをもらったのは流経柏のドリブラー

ゲキサカ / 2025年1月14日 15時56分

前橋育英のMF平林尊琉(右)がドリブルで仕掛ける(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.13 選手権決勝 前橋育英高 1-1(PK9-8)流通経済大柏高 国立]

 日本一の喜びも悔しさも、すべてを次の1年につなげていく。前橋育英高(群馬)の10番を背負ったMF平林尊琉(2年)。1回戦から決勝まで全6試合に先発し、2回戦の愛工大名電戦では先制点も決めたが、大会を通して自分らしさを発揮し切れないもどかしさも残った。

「(準決勝の)東福岡戦で試合に入れなくて、今日は最初から走って、試合に馴染むことを意識した。守備のところでチームのために貢献しようと思って、そこはできたけど、攻撃のところでチャンスメイクや怖さを出すことは今大会できなかった」

 準決勝の東福岡戦はハーフタイムでベンチに下がり、この日も後半12分に交代。同じサイドハーフのMF白井誠也(2年)がスーパーサブとして機能していたチーム事情は理解していたが、悔しくないわけがない。それでも「悔しさが来年頑張る原動力になる」と、連覇を目指す来年度でさらなる飛躍も目指す決意だ。

 7年ぶりの日本一に輝いた前橋育英だが、先発11人中、平林を含めて2年生が5人を占める。途中出場でも2年生3人が起用され、計8選手が決勝のピッチに立った。平林は「今日の舞台を経験したことは来年につながる。もう一回、この舞台に戻ってくることを目標に頑張りたい」と意気込んだ。

 ミックスゾーンで取材に答えていると、その背後から流通経済大柏(千葉)のMF亀田歩夢(3年、富山内定)が「来年、頑張ってね」と声をかけて通り過ぎて行った。学年も出身も異なる2人にどんなつながりがあったのか。亀田との関係性を聞くと、意外な返事が返ってきた。

 今季の高円宮杯プレミアリーグEASTでも対決している両チームだが、2人はともに先発して2試合を戦っていた。同じサイドを主戦場とするドリブラーということもあり、「プレミアリーグで対戦して上手いなと思った。参考にしたいと思って」という平林がダイレクトメッセージ(DM)を送ったところ、亀田からも返事があり、交流が生まれたのだという。

「(DMで)アドバイスをくれた」。選手権決勝という大舞台での再戦が実現し、ともに先発のピッチに立ったが、その目の前でドリブルから鮮やかな先制点を決められた。卒業後、J2富山に入団する亀田は、平林にとって明確な目標になる存在でもある。

「周りを楽しませるプレイヤーになりたい。それこそ亀田くんみたいに、ボールを持ったら何かしてくれそうという期待感を持たせる選手になりたい」。まだ2年生。前橋育英の背番号10は、喜びと悔しさを糧に新チームを引っ張っていく。

(取材・文 西山紘平)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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