不調、怪我を乗り越えて一際輝いた冬。得点ランク2位、優秀選手選出の流経大柏FW山野春太は流経大で「全試合点決めれるぐらいの選手に」

流通経済大柏高FW 山野春太(3年=tfaジュニアユース出身)は大学サッカーでよりゴール量産することを誓った。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.13 選手権決勝 前橋育英高 1-1(PK9-8)流通経済大柏高 国立]

　準々決勝まで3試合連続先制点を含む計4得点。エース級の活躍で、進撃の中心になっていた。だが、流通経済大柏高(千葉)FW山野春太(3年=tfaジュニアユース出身)は準決勝、そして決勝でも無得点に終わり、「調子良くて点取り続けられたと思うんですけど、結局、最後の準決勝、決勝で結果を残せなかったので、全然まだまだ。調子良かっただけに、まだ実力は全然ない」と唇を噛んだ。

　今大会、相手DFライン背後へ鋭く抜け出す動きから幾度もゴールを強襲した。その一方、スペースでボールを引き出して攻撃の起点になる部分でもその貢献度は大。だが、この日は、絶妙なポストプレーでシュートの起点になったシーンこそあったものの、全体的には前橋育英高DF陣にその良さも消されていた。

「センターバックがずっとコンタクトしてきて、ボール関係ないとこでずっと触ってきたので、そこは凄いやりにくかったところもあるんですけど、その中でも粕谷(悠)と今日は何回か引き出したんですけど、2人でボール収めて攻撃の起点にとなるとかできなかったです」と首を振る。ハイサイドへのロングボールも相手に準備されている中では山野の俊足を活かせず。それでも、ボールを追い続けた山野は延長後半にチャンスを生み出す。

　ロングボールをPAで強引に収めて左足一閃。だが、相手CBにブロックされた。「延長の時とか、シュートまで持っていったんですけど、そこでほんとに決め切る力や、ボール呼び込む力もまだまだ全然足んないなっていうことを実感しました」。幸せに感じたという国立決勝でのプレーだったが、チームを日本一へ導くことはできなかった。

　それでも、今季のプレミアリーグEAST出場5試合(先発は1試合)無得点と怪我、不調に苦しんだストライカーが、3年生の冬まで諦めずにキレの向上などに取り組み続けて才能が開花。1年時の選手権千葉県予選で先発出場して敗れた経験の持ち主が、最後の選手権で得点ランキング2位タイの4得点、大会優秀選手選出と輝きを放った。

　系列の流通経済大へ進学する山野は、「本当に大事な場面で『またコイツか』って言われるような、本当に全試合点決めれるぐらいの選手になって、大学4年間を過ごしていきたいと思います」。悔しい幕切れになったものの、今大会、榎本雅大監督の大きな期待にも応えた”スーパーヤマノ”。次のステージでは、全国大会決勝でもゴールを決めてチームを日本一へ導く。

(取材・文　吉田太郎)

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