日本高校選抜候補唯一の2年生が1ゴール。逸材FW大石脩斗は鹿児島城西3年生の思いを誰よりも背負って1年間を過ごし、「自分がいればチームが勝つ」ストライカーへ
ゲキサカ / 2025年1月26日 23時51分
PKキッカーの順番は選手間で決めているという。当初予定されていた4番目から急遽5番目に代わっての失敗となったが、大石は言い訳することなく「(責任は)自分が背負うべきだと思うんで」ときっぱり。怪我しない身体づくりや体調管理など、自分がより準備を徹底していれば、結果は変わったかもしれない。逸材FWは3年生の思いを誰よりも自分が背負って、この一年間を戦う覚悟だ。
「(2024年シーズンは)2年生が多く出させてもらって、自分も1番多く出してもらって、 ああいう結果にさせてしまったんで、もう今年は去年の3年生の分もまたプレミア(リーグへ)上がって、選手権出ることがまず目標なんですけど、もう出たら優勝しかないと思うんで。やっぱり(鹿児島県は)予選キツイと思うんですけど今年のチームなら行けると思うんで、3年生の分を自分は1番出てたから、1番重く背負うっていうか、(先輩たちに)感謝してやっていけたらなって思います」
今回の選手権、チームとしては神村学園戦の勝利で緩みが全く出なかったとは言い難い。それだけに、鹿児島城西の新チームは1年後に国立で勝つことを掲げ、「去年の入りよりも意識高くやれてるかなって思います」。そしての選手権で輝くために、自分がゴールを決めて勝たせることを大石は誓った。
「やっぱり、『自分がいればチームが勝つ』みたいな。(2025年の鹿児島城西は技術力の高い選手が多く、)攻める時間も去年よりは多くなると思うし、自分にボールも集まると思う。自分が点決めればチームも勝つんで。今年はほんとに得点っていうところが1番大事。結局、良いプレーしても点取んないで負けたら一緒なんで、良いプレーもしながら、最後は点を1点、2点取っていかないとチームもキツイと思うんで、点っていうところが今年のテーマかなって思います。(これまでよりも、)もっとチームをプレーで引っ張れたらな、って思います」。昨夏のインターハイで9得点を挙げて得点王になったMF名和田我空(神村学園高→G大阪)や今冬の選手権2試合で4発のFW高岡伶颯(日章学園高→サウサンプトン)のように、注目される中でも結果を残す。
その名和田と高岡は昨年、下級生ながら日本高校選抜欧州遠征を経験。大石もそれに続く意気込みだ。「最初、(日本高校選抜メンバー)表見て、『メンツ、エグいな』、テレビで決勝見てた選手がたくさんいて『凄いな』と思ったんですけど。でも別に『凄っ』て思っただけで、『どうしよう』とかはなくて、2年生1人ですけど逆に注目されてチャンスだと思うんで、『頑張ろう』って思ってきました」。昨年、U-17日本高校選抜を経験している大石は一年前同様、ピッチ外で仲が良いという神村学園の選手たちと一緒に静岡まで移動。MF大谷湊斗(昌平高/3年)や前橋育英高(群馬)、流通経済大柏高(千葉)の3年生たちに仲良く、優しく、そしてイジられながら、ピッチではスケール感の大きなプレーを見せている。
選考合宿はあと2日。「やっぱり(富居徹雄)監督は戦うところなどを求めているんで、そこを体現させたい。(その上で、)自分の持ち味はやっぱり推進力だったり、ターンして自分で持ち運んだりするところだと思うんで、そこや点っていうところの結果も見せながらアピールしていけたらなって思います」。選手権のヒーローたちから吸収し、1年後に彼らを凌駕するような活躍をしてのけるる。
(取材・文 吉田太郎)
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