「『オマエのせいで続けるわ』と言われました(笑)」ダブルキャプテンの“相棒”への説得、実る!流通経済大柏DF奈須琉世が高校選抜選考合宿でも発揮する圧倒的リーダーシップ
ゲキサカ / 2025年1月27日 7時46分
「本当に今までのサッカー人生の中で一番楽しい大会でした。もともと夢の舞台でもありましたし、選手権を見て流経を選んだところもあって、『選手権に出たい』という気持ちもずっとあったので、そういう嬉しさもありましたね」。2週間前に閉幕したばかりの高校選手権で流経大柏が見せた奮闘は、非常にエモーショナルなものだった。
ファイナルの国立競技場に集まった観衆は、実に5万8347人。にわかには想像しがたい数字だが、奈須はそこまで緊張しなかったという。「準決勝でも3万人ぐらいお客さんが入っていて、その時は結構緊張したんですけど、そこで1回経験していた分、決勝はそこまで緊張しなかったんです。5万8千人の中で国立のピッチにスタートから立てるのは22人しかいないので、そこに選ばれたことがまず嬉しくて、ワクワクの方が大きかったですね」。
印象的なシーンがあった。日本一の懸かったPK戦。前橋育英高の10人目のキックがゴールネットを揺らし、流経大柏の敗戦が決まった瞬間、すぐさま奈須はDF佐藤夢真(3年)と一緒に、倒れ込んだGK加藤慶太(3年)の元へと笑顔で走り寄る。
「あのシーンは『ここで決められて負ける』とは思っていなかったですけど、決められて結果が出た後に『ああ、負けたんだな』と実感しながら、負けたら負けたで『絶対に泣かないようにしよう』と思っていました。それは小学生のころに自分が外してPK戦に負けたことがあって、その時は自分が一番手で蹴ったんですけど、まだ負けてもいないのに泣いてしまって、その時に父親や指導者から『まだ試合が終わっていないのに泣くな!』と言われたんです」
「自分も『チームに迷惑を掛けた自分が何で泣いているんだ』と思って、それからはピッチ上では絶対に泣かないと決めていたので、スタンドへの挨拶の時になったら号泣してしまったんですけど(笑)、PK戦でも加藤が最後まで頑張ってくれていましたし、負けた瞬間にすぐに崩れ落ちていたので、すぐ駆け付けてやろうと、『行かなきゃな』と身体が勝手に動いていた感じです」。こういったあたりに、リーダーとしての圧倒的な責任感と気遣いが滲むのも頼もしい。
つい最近のこと。奈須には嬉しい“報告”があった。2024年度の流経大柏でダブルキャプテンを務め、センターバックでもコンビを組んでいた佐藤夢真が、ともに進学する流通経済大でも選手としてサッカーを続けることを決断したのだ。
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