バイデン大統領とトランプ元大統領の健康状態は限りなく不透明(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月30日 9時26分
【ニューヨークからお届けします】
11月のアメリカ大統領選は、バイデン大統領とトランプ元大統領の一騎打ちに決まりました。その2人の健康状態への懸念が、繰り返しメディアを騒がせています。
バイデン大統領は81歳、トランプ大統領は77歳で2人とも高齢です。次の4年間大統領という激務を務めることができるのかという不安を、有権者が抱くのは当然です。
演説中に2人が人の名前を言い間違えたり、口ごもったりするたびに、やはり年齢的に無理なのではないか、他に候補はいないのかという憶測が飛び交っています。
しかし医療の専門家は、「こうした見かけだけで判断してはいけない。大統領の仕事に耐えられる健康状態であるかどうかは、医師による詳しい健康診断の結果を見なければわからない。」と警鐘を鳴らしています。
問題は、こうした健康診断の結果がほとんど公表されていないことです。
ニューヨークタイムスによれば、2008年の大統領選では、当時71歳だったジョン・マッケイン候補が、健康状態に関する1000ページ以上の報告書を公開しました。
ところが、今回2人の候補から出てきた情報はずっとわずか。バイデン氏の医師が6ページの報告書を今年2月に、トランプ氏は昨年11月に医師からの1ページにも満たないメモを公開しただけ。いずれも2人の健康を保障すると書かれてはいますが、特に認知機能やメンタルの状態など、有権者が知りたい情報はありません。
こうした情報の少なさも、さらなる憶測を呼ぶ原因になっています。
そこでニューヨーク・タイムズが2人の候補者に詳細を問い合わせたところ、トランプ氏からは返事がなく、バイデン大統領からの返事には、肝心のメンタルに関する情報は含まれていなかったとのことです。
どちらが勝っても史上最高齢の大統領の誕生に、アメリカの有権者は拭い去れない不安を感じています。
(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)
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