初夏だからこそ気をつけたい糖尿病の熱中症…暑熱順化が不十分
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月2日 9時26分
地球温暖化のせいか、年々暑くなるのが早くなっていると感じる人も多いのではないか。今年も4月15日に新潟県三条市の最高気温が4月としては観測史上1位となる32.5度を記録。本州としては今年初めて気温が30度以上の真夏日となった。その後、全国各地で真夏日が観測されるようになっているが、気温が30度を超えると熱中症で救急搬送される人が増えてくる。糖尿病の人はとくに気をつけたい。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京都大田区蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。
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「そもそも5月は健康な人でも暑熱順化が完成されておらず、熱中症になりやすい。糖尿病の人は健康な人よりもさらに熱中症になりやすい。初夏で過ごしやすい気候とはいえ、汗をかくなど体内から水分は絶えず失われているので、糖尿病の人は熱中症には十分気をつけなければなりません」
暑熱順化とは、体を暑さに慣れさせることをいい、具体的には汗をかける体にすることを指す。
「人は体内の熱を汗として体外に放出することで体温調節を行っていますが、汗をかく機会が少ない冬から春先にかけては汗を出す汗腺機能が低下していてうまく汗をかくことができません。急に真夏の暑さに襲われる5月ごろから、体が順応できずに熱中症になる人が増えてくるのです」
実際、総務省が昨年10月に公表した「令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」によると、全国で5月に熱中症で救急搬送された人数は3655人。統計を取り始めた2015年以降5月としては2番目に多かった。都道府県別で見ると、5月に熱中症で救急搬送された人が最も多かったのは東京都(270人)で、以下、埼玉(269人)、愛知(259人)、大阪(201人)。ほかに3桁に乗ったのは福岡、神奈川、千葉、京都、兵庫、熊本だった。
「糖尿病の人は血管や神経に障害が起きやすいため汗をかきにくく、体内に熱がこもって体温調節が難しくなります。糖尿病の高齢者はとくに喉の渇きに気づきにくいので、知らず知らずのうちに脱水状態から熱中症になってしまうケースが多くなるのです」
そもそも、血糖値が高いと尿に糖分や水分が出やすくなり、体中の水分が排出されて脱水状態になりやすい。脱水状態になると、それ以上水分を減らさないため汗を出すのをストップしてしまうため、熱中症リスクがさらに高くなる。
糖尿病薬を飲んでいる人はとくに気をつける必要がある。たとえば、SGLT2阻害薬は、体の中に余っている糖分を尿とともに体外に排出する働きがあるため、飲み始めの2週間ほどはとくに尿量が増える。
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