「じゅんさい」で熱を冷まし水分代謝をアップして皮膚トラブルを改善【健康長寿に役立つ高齢薬膳】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月7日 9時26分
じゅんさいとアサリのそば(提供写真)
【健康長寿に役立つ高齢薬膳】じゅんさい
最近、フケがやたらと増えて困る。額の周辺に赤い炎症も……。もしかしたら「脂漏性皮膚炎」かもしれません。
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い身体の部位に発生する湿疹性の皮膚炎です。頭皮、額、こめかみ、小鼻の脇、眉毛、わきの下に現れることが多く、赤い発疹や脂っぽい皮疹が生じ、黄色く湿り気のある皮膚片(鱗屑)がはがれてポロポロむけるといった症状がみられます。また、かゆみを伴う場合もあります。フケ症も、脂漏性皮膚炎の一種です。
原因として皮膚の常在菌のひとつである「マラセチア」が関わっています。皮脂量が多くなると、皮脂を栄養源とするマラセチアが増殖し、皮膚に刺激を与えることによって症状が引き起こされるとされています。また、不十分な入浴や洗顔による皮脂増加、ビタミンB群の不足、ストレス、寝不足、ホルモンの乱れなどによって発症するケースもあります。とくにシニアは加齢による皮膚のバリア機能や新陳代謝の低下、外的刺激の耐性が弱まることで発症のリスクが高まります。
脂漏性皮膚炎は他の人にうつることはなく、命に関わる疾患ではありませんが、髪の毛や服にフケが多く付着していたりすると、他人からの視線が気になるもの。皮膚科での治療とともに、食事を見直して対策を図りましょう。
中医学において、脂漏性皮膚炎は「湿熱」と言われる状態で引き起こされやすくなると考えます。湿熱とは、体内の余分な水分である「水湿」が熱を帯びた状態を指し、その結果、皮膚に炎症が現れるのです。
揚げ物、唐辛子やスパイスが過剰にきいた料理、お酒、甘いものの過剰摂取が原因となることが多く、吹き出物、おでき、結膜炎、ものもらいといったトラブルも見られがち。また、蓄えた過剰な熱が体内で熱を放つために、のぼせやすく暑がり、メタボ気味といった特徴もあります。
改善のためには、熱を鎮めて、利尿作用の高い食材を取り入れることが大切です。
おすすめは「じゅんさい」。体内の余分な熱を冷まし、水分代謝をアップする優れた働きがあります。高い解毒作用で炎症を鎮め、おできや吹き出ものの改善に役立ちます。利尿作用も高いのでむくみ対策にもよく、湿気の多い時期の体調維持のためにもぜひ取り入れたい食材です。
じゅんさいは淡水の沼に生息する水草で、ゼリー状のヌメリで覆われた新芽は、つるつるぷりぷりとした食感が魅力です。秋田県の特産品でもあり、旬は4月下旬から9月上旬で最盛期は6月です。わさび醤油などをかけたものは、初夏のおつまみとしても親しまれていますが、さまざまな料理で楽しめます。
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