白いんげん豆で「脾」の働きを強化して体内の水分排出を促し気象病を改善【健康長寿に役立つ高齢薬膳】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月21日 9時26分
白いんげん豆のからだスッキリサラダ(提供写真)
【健康長寿に役立つ高齢薬膳】
白いんげん豆
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梅雨を迎え、体調がすぐれない。台風の前になると身体が重だるくて、頭痛もひどい……。もしかすると「気象病」かもしれません。
気象病とは天候の変化によって現れる不調をいいます。気圧、温度、湿度などの変動が原因で自律神経のバランスが乱れることにより引き起こされ、近年、気候変動が大きくなっている影響から、増加傾向にあるともいわれています。症状としては、倦怠感、頭痛、関節痛、腰痛、肩こり、めまいなどの不定愁訴が現れます。また、気分の落ち込みなどメンタル面の不調もみられます。
気象病は、大気が不安定で気圧の変化が多い季節の変わり目に起きやすく、3~6月頃と、10月、11月に発症するケースが多いとされています。とくに、台風などの大型の低気圧は、急激な気圧の変化によって気象病の引き金になりがちです。
シニアは体温調節機能が衰えて寒暖差への適応が困難になりやすく、自律神経の働きが低下しているため気象病のリスクが高い傾向があります。湿度が高くなる梅雨どきは、汗が蒸発しにくく、水分代謝が悪くなるためにうまく体温調節ができなくなりやすい季節なので、いよいよ体調を崩しやすく注意が必要です。
中医学では、気象病は消化器官や水分代謝をつかさどる臓器「脾」の弱りが関係していると考えます。脾は取り込んだ栄養を人間のエネルギー源である「気」に変えて全身に送る働きがあります。生きる「土台」ともいえる脾の働きが悪くなると、体力不足で疲れやすく、免疫力も下がり、外界への対応能力が低下します。
そして、脾は湿気に弱い臓器です。梅雨どきはその働きが1年で最も弱くなり、身体が重だるい、むくみ、体力の低下といった症状を引き起こしやすくなります。とくに、もともと脾の弱い人は台風の前には劇的に体調が悪化する傾向があります。また、身体に入り込んだ湿気は体内で余分な水分が停滞しやすく、関節痛、頭痛、下痢、湿疹といったトラブルも現れがちです。
梅雨どきの気象病対策のためには、脾を強めて、水分代謝をアップする食材を取り入れることが大切です。
おすすめは豆類で、中でも白いんげん豆は脾の働きを強化して体内の余分な水分排出を促す優れた働きがあります。胃のトラブルにもよく、消化促進、食欲不振、吐き気にも威力を発揮してくれます。
白いんげん豆は。白あんの原料として知られていますが、アメリカやヨーロッパでは肉と煮込んだり、サラダにして使うのが定番。梅雨どきの夕食に、おかずとして取り入れてみましょう。
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