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横綱曙も一大勢力に苦しんだ…伊勢ケ浜部屋はかつての二子山部屋のようになれるのか

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月13日 9時26分

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曙は二子山部屋勢を向こうに回して11回優勝(C)共同通信社

 4月上旬に54歳で死去していたことが明らかになった第64代横綱曙さん。この外国人初の横綱を苦しめたのが、当時、角界随一の勢力で知られていた二子山部屋だ。

 1990年代の二子山部屋は目もくらむようなスター揃い。ただでさえ、前身の藤島部屋時代から若貴兄弟に加え、貴ノ浪や貴闘力、安芸ノ島が在籍していたところにもってきて、93年に二子山部屋を吸収合併したことで勢力を拡大した。

 最盛期は若乃花、貴乃花の兄弟横綱に、大関貴ノ浪がいて、関脇は貴闘力、安芸乃島、若翔洋。小結に隆三杉、三杉里、浪乃花、平幕は豊ノ海(番付はいずれも最高位)。彼ら10人が同時に幕内にいたこともあったのだから、対戦相手もたまったものではない。彼らを向こうに回して11回優勝した曙さんは凄まじいが、当時は他の部屋の力士からは、「同部屋対戦がないから、二子山部屋の力士はいいよな」なんて、やっかむ声もあったほどだ。

 そこに行くと、現在の伊勢ケ浜部屋も負けてはいない。3月場所は横綱照ノ富士を筆頭に、翠富士、錦富士、熱海富士、尊富士と幕内に5人。尊富士は110年ぶりの新入幕Vを達成するなど、若手も伸びてきている。次の5月場所は宝富士の幕内復帰が濃厚で、6人となる計算だ。さらに一時的とはいえ今回、宮城野部屋の力士を受け入れたことで、さらなる勢力拡大の兆候もある。こちらも十両の伯桜鵬など、将来が期待されている力士が少なくない。

■合併でかえってミゾが生まれることも

 ただし、それなりの苦労もある。

 ある角界OBは「私も現役時代、合併を経験した」とこう話す。

「相撲部屋のしきたりやルールは、部屋ごとに違う。合併の場合、受け入れた部屋側に合わせなきゃいけない。新しく来た力士たちは戸惑うことも多く、かといって、受け入れた側も『ウチではこうなってんだよ!』と頭ごなしにやれば、双方に溝が生まれてしまい、より馴染めなくなる。相撲部屋にも厳しい部屋、緩い部屋があり、関取がいない部屋だと、付け人の仕事がよくわからない者もいる。以前、春日野親方(元関脇栃乃和歌)は『双方の歩み寄りが大事。ウチも合併があったけど、力士たちがみんな偉かっただけだよ』なんて話していました」

 春日野部屋は12年に田子ノ浦部屋、13年は二所ノ関部屋、三保ヶ関部屋と、閉鎖した部屋の力士を立て続けに受け入れた経験がある。

「今回は人数が多すぎるのが心配ですね。力士だけで20人以上いる伊勢ケ浜部屋に、力士や裏方を合わせて20人前後の宮城野部屋がいっぺんに引っ越したわけですから。地下のトレーニングルームも力士が寝起きする部屋にするなど、様々な面で生活に支障が出かねない。過去の二子山部屋も、貴乃花が部屋を引き継ぐまで、合併後に関取に昇進したのは1人だけだった」

 まして、久々に自ら回しをつけて弟子に稽古をつけている宮城野親方(元横綱白鵬)と、照ノ富士の関係は水と油。まさに呉越同舟で、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が何とかしない限り、部屋全体が険悪なムードとなる恐れもある。

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