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“コロナの勝ち組”オイシックス・ラ・大地「シダックスを子会社」の次は?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月18日 9時26分

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オイシックス・ラ・大地の自然派商品の宅配(C)日刊ゲンダイ

【企業深層研究】オイシックス・ラ・大地(下)

 成功した経営者は運を味方につけるといわれる。オイシックス・ラ・大地の創業社長の高島宏平もそのひとりだ。

 若きベンチャー起業家は1973生まれの団塊ジュニア世代。東大に入学。大学院では情報工学を専攻し、在学中に起業した。大手プロレス団体のホームページの制作を受注したが、間に立った女性経営者がお金を持ち逃げしたため未完成のまま、“チーム高島”は解散する苦渋を味わった。

 外資系コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。インターネットを使ったビジネスで起業すると決めていたが、何を扱うかは未定だった。

 2000年6月、オイシックスを設立。ネットによる野菜の通販「Oisix(おいしっくす)」を立ち上げた。会社が軌道に乗るまで12年かかった。

 野菜を仕入れるために、アポなしで農家に飛び込んで、門前払いを食らった。それでもあきらめず、農家を訪問し続けた。資金繰りがつかず、倒産の危機は幾度となくやってきた。

 ようやく、リピーターの客がつきはじめ、13年3月、ネットによる野菜の通販という、これまでになかったビジネスモデルが評価され東証マザーズに上場できた。これが転機となり運が向いてきた。

■自然派食品宅配業界の最大手に

 17年10月、有機野菜栽培のパイオニア、大地を守る会と経営統合。18年2月、NTTドコモの完全子会社の有機・低農薬野菜販売、らでぃっしゅぼーやを傘下に入れ、商号をオイシックス・ラ・大地に変更。自然派食品宅配業界の最大手にのし上がった。

 給食事業を展開するシダックス(東証スタンダード上場)を子会社にし、業容の幅を広げた。シダックスは、志太勤取締役最高顧問が1959年に富士フイルムの食堂を受託して創業した。19年、投資ファンド、ユニゾン・キャピタルの出資を仰ぎ経営再建の途上にあった。

 22年、オイシックスがユニゾンの持ち分をTOB(株式公開買い付け)で買い取り、28%を保有する筆頭株主となった。

 23年11月、志太勤が代表取締役を務める志太ホールディングス(HD)がTOBを実施。

 このTOBにオイシックスも応募し、TOBは成立した。24年1月、オイシックスは志太HDの第三者割当増資を141億円で引き受け、合計でシダックスに66%出資するかたちとなり、実質的にシダックスを子会社にした。シダックスは3月末に上場廃止となった。

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