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衆院補選「島根1区」現地ルポ 記者が身をもって感じた60年超に及ぶ鉄壁の保守地盤

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月25日 9時26分

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ちょっとやそっとじゃ揺らがない(C)日刊ゲンダイ

 それでもまだ、熱烈に支持するのか──。

 与野党一騎打ちの衆院島根1区補欠選挙(28日投開票)は、細田博之前衆院議長の死去によるもの。1996年の小選挙区制導入以降、昨年11月に鬼籍に入るまで30年近く議席を守り続けた。中選挙区時代までさかのぼれば、父・吉蔵元運輸相が初当選した1960年以来、実に60年以上も「細田」の名前を支持し続けた全国きっての保守王国である。

 日刊ゲンダイは22日、県庁所在地・松江の中心地から車で1時間ほど離れた県北の農村地域に向かった。50世帯ほどの小さな集落で、自民党候補の錦織功政氏が演説するというのだ。

 集落は昼過ぎでも人通りはまばらで、静まり返っていた。予定の10分前、本当に来るのかと不安に思っていると、降って湧いたように25人ほどの住民がぞろぞろと集まり出した。子供の姿も数人見えるが、ほとんど高齢者だ。

■「自民党でなければ島根は崩壊する」

 ジャージー姿の70代男性は「この地域の9割が自民支持者だ」と、こう続けた。

「裏金問題だ、細田さんのスキャンダルだとメディアが好き勝手言ってるけど、俺は変わらず自民に投票するよ。裏金が500万円でも、5年で割れば1年でたったの100万円。大した額ではないし、民主党政権の暗い時代には戻りたくない」

 しばらくすると、錦織候補を乗せた選挙カーが到着。聴衆の拍手で迎えられ、先ほどまでの静けさが嘘のような盛り上がりだ。15分ほど演説した錦織候補を拍手で見送ると、作業服姿のおとなしそうな高齢男性が記者に話しかけてきた。

「島根は建設業者と自民党の関係で成り立っている。自民党でなければ島根は崩壊します。裏金問題も、錦織さんは新人で全く関係ない。自民党を良くするためにも、若い人を送り込みたいんです。どうか記者さん、良く書いてくださいね」

 情勢は、立憲民主党の亀井亜紀子候補リードと伝わるが、亀井陣営の幹部はこう話す。

「追い風が吹いているとはいえ、自民の岩盤支持層はこんな程度じゃ揺るがない。何十年間も築き上げてきた組織力があり、人員の数もウチとは桁違い。本気を出されたら、ひとたまりもない」

 最後まで気が抜けそうにない。

(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ)

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