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「築地」再開発の事業者が決定…三井不動産連合に「読売」も参加する“ごった煮”状態に(重道武司)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月25日 9時26分

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約70年にわたって貸与される築地市場跡地(C)日刊ゲンダイ

【経済ニュースの核心】

「これ以上都心に人集めてどうするの」。地元中央区の住民からはこんな疑問の声も聞かれる。

 東京・築地市場跡地の再開発を担う事業者が先週末、三井不動産を中心とした企業連合に決まった。都が昨夏公募した事業者選定入札には三井不連合を含め2グループが名乗りを上げていた。しかし有識者からなる都の審査委員会は「対抗馬」について、再開発事業への参加資格など複数の項目で要件を満たしておらず、「失格が相当」と判断したという。

 都関係者の間では当初から三井不連合が「ド本命視」されており、ディベロッパー業界からは「入札の形だけ整えた印象。事実上の随意契約では」といった皮肉も漏れる。

 三井不連合には明治神宮外苑再開発計画をはじめ、このところ不動産ビジネスを巡って三井不との蜜月ぶりがとみに際立つ読売新聞グループ本社が“準主役級”として参加する。その他、大林組を除くスーパーゼネコン4社やトヨタ不動産など計11社で構成する。

■「まるで租借地」の声も

 開発対象となるのは都有地となっている約19ヘクタール。都はこれに一般定期借地権を設定。約70年にわたって事業者に貸与する。都には年101億円の賃貸収入が転がり込む形とはいえ、あまりの長期貸与に「まるで租借地」(金融筋)と漏らす向きも。

 三井不連合の事業計画案では、ここに中核施設となる5万人収容の全天候型多目的スタジアムを建設。さらにMICE(国際会議場)施設や1200人収容の「シアターホール」、商業施設、オフィス、ホテル、住居棟などを整備する。「食」をテーマにした空間やヘリポート、「空飛ぶクルマ」の発着場などの設置まで視野に入れているという。

 何やら統一コンセプト不在の「ごった煮状態」(不動産業界筋)といったところか。三井不連合では早ければ25年度にも一部施設の建設に着手。32年度までに大半の施設を完成させたい考えだ。

 築地再開発を巡っては、地元住民などから国立がん研究センターをはじめとした周辺の医療機関の立地を生かして国際的な先端医療研究の拠点にする案や、医科系大学のキャンパスを誘致するプランなども上がっていた。外国人観光客などの急増で歩けないほど道が混雑する日もあるからだ。今回の三井不連合案にもこうしたアイデアの一部は取り入れられているものの、迫力は乏しい。

(重道武司/経済ジャーナリスト)

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