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とろサーモン久保田&ウエストランド井口が放つ“魂の叫び” 「耳の穴かっぽじって聞け!」の見どころ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月27日 9時26分

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とろサーモンの久保田かずのぶ(左)とウエストランドの井口浩之(C)日刊ゲンダイ

 4月からスタートした「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日系)が面白い。まず興味を引くのが、毒気のある芸風でM-1王者となった、とろサーモン・久保田かずのぶとウエストランド・井口浩之という人選だ。

 昨年6月開催の「猛毒の宴~この人に会いたいではなくこの人の話しが聞きたいライブ~」で共演し、年末年始に3週にわたって公開されたテレビ朝日公式YouTubeチャンネル「動画、はじめてみました」の動画でも息の合ったトークを展開。どんなテーマにおいても、魂の叫びをぶつけ合って笑わせるスタイルは彼らならではのものがある。

■シリアスと笑いが混在

 そんな2人だからこそ、味つけはシンプルなほうがいい。制作陣がそれを意識してのことか新番組のコンセプトは「文は人なり」だ。芸人やタレントなど、あらゆる人が書いた生々しい文章を音声化し、久保田と井口がそれを聴いて本音をぶつける。これが見事にハマっている。

 初回の「ゾフィー解散の真相」、第3回の「文春砲の裏側~命の危険を感じた瞬間~」も興味深いものがあったが、とくに印象に残ったのは第2回のテーマ「順位をつけられてしんどい…賞レースで戦う意味は?」だ。

 芸歴2年目の女性コンビ・チルダーリーのトビーは、同世代の若手とバトルライブに出演する日々を送っている。そのライブは客の投票で順位が決まることから、「顔がいい男性芸人に票が傾いている時もあって不平等を感じる」という。

 そんな状況下で「賞レースやバトルで勝ち抜くことの意味を教えていただきたい」との声に久保田は「戦ってください」「(人間社会は競争だから)そんな甘くない」と熱くエールを送る。これに井口も「僕と久保田さんなんてそれ(シュッとした人気者)とずっと戦ってきてる」と苦笑しつつ同調し、「本当に面白いこと続けてれば絶対追い抜けます」と胸を張った。

 その後、久保田が「(井口と自分は)神様が左足で作ったような人間」と自虐ネタを差し込むと、井口が「足? 手でもなく? 左手ぐらいにしといてほしい」とおどけて笑わせる。

 そうかと思えば、今度は久保田が「やっぱ、ひとつを貫いたやつには勝てない」と真顔で語り、井口も三四郎・小宮浩信とモグライダー・ともしげの3人で夜な夜な飲みながらお笑いについて延々語っていた若手時代を述懐する。このバランスが絶妙だ。

 彼らの掛け合いには、キラーワードが次々と飛び出すワクワク感がある。その根底には、「芸人が格好つけてどうする」「どんな対象であろうと自分が感じたことは言うべき」という共通の信念があるのではないか。シリアスと笑いが混在する、今もっとも見応えある番組だ。

(お笑い研究家・鈴木旭)

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