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MLBが2兆円産業「スポーツベッティング」業界にあからさまにスリ寄る本当の狙い(友成那智)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月1日 9時26分

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米メディア「Awful Announcing」のXから

【メジャーリーグ通信】

 米国は大半の州でNFL、MLB、NBAなどの主要スポーツをギャンブルの対象にするオンラインベッティングが合法化され、爆発的な人気を博している。

 民間の調査会社「ドライブ・リサーチ」が、昨年行った調査では一度でもスポーツベッティングをした経験のある者は成人の46%に達し、そのうち10%は毎日賭けているという結果が出ている。今やスポーツベッティングは2兆円産業に成長し、今後も年10%のペースで伸びていくと予想される。

 米国の「スポーツギャンブル狂時代」への突入を如実に表していたのが、3月25日に行われた大谷翔平による声明発表だった。この模様はESPN(米国最大のスポーツ専門局)の第2チャンネルで生中継され、11分間の会見の間、テレビ画面には大谷の硬い表情がアップで映し出される中、帯テロップでは、この日行われるさまざまなスポーツイベントのオッズが流れ続けていた。

 ギャンブル中毒の通訳が苦し紛れに発した弁明のおかげで、大谷は多大な迷惑を被ったと真摯に語っていたが、同じ画面のテロップで、スポーツギャンブルをあおるオッズが延々と流れていたのだ。

 その無神経さには呆れるほかなかったが、これは、スポーツベッティングの存在感が急速に増大していることを感じさせる出来事でもあった。

 MLBはここにきて、この隆盛を極めるスポーツベッティング業界にすり寄る姿勢を鮮明にしており、3社とパートナー協定を結んでいる。とくに「ビッグ2」の一角であるファン・デュール社とは蜜月関係にあり、昨年からスマホやパソコンに同社のアプリをインストールしている人はMLBが設定した「本日の1試合」を無料で観戦できるようになった。同社は、試合が進行する過程でさまざまな賭けを設定していく「インゲームベッティング」を得意としており、観戦しながらリアルタイムで賭けることが可能になった。

「インゲームベッティング」で儲けるには、試合開始から終了まで集中力を切らさずに見続ける必要があるので、賭けを始めた人は野球に詳しくなり、熱心なファンになることが多い。しかも、年齢別に見るとスポーツベッティングにのめり込むのは大半が若い層である。MLBの悩みの種はファン層が中高年に偏っていることなので、ファン・デュール社とタッグを組むことで、何よりも欲しい若くて熱心なファンを増やす効果がある。MLBのマンフレッド・コミッショナーは、その点に大きな魅力を感じているのだ。

(友成那智/スポーツライター)

  ◇  ◇  ◇

 本文中にも登場した大谷はアスリートだった両親の元、出産に関わった看護師から褒められるほど「ずいぶんしっかりとした顔つき」で生まれてきたという。

 ●関連記事【大谷を知る】…は、過去に日刊ゲンダイで連載した「秘話 二刀流の血脈」をパワーに焦点を当てて再編したもので、大谷の誕生秘話や両親のスポーツ歴、名前の由来などについて詳しく報じている。

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