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政治資金規正法改正ホントにヤル気あるのか?自民、維新、立憲が互いに批判展開の泥仕合

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月25日 11時32分

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自民党藤井比早之議員は「10万円はキリが良く分かりやすい」と説明(C)日刊ゲンダイ

 結局、中途半端な改革に終わるのではないか。

 自民党の裏金事件を受け、与野党が提出した政治資金規正法改正案を巡る論戦が、衆院政治改革特別委員会で本格化している。焦点は、裏金を根本から断ち切る改革を実現できるか否かだが、自民党に日本維新の会、立憲民主党それぞれが互いの批判を展開し、泥仕合の様相である。

■自民党は「奇数はダメ」

 ヤル気のなさが際立つのは自民党だ。パーティー券購入者の公開基準を現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げるよう、公明党や維新が求めているのに、自民党は「10万円超」に執着している。23日の特別委で立憲の柚木道義議員に「なぜ5万円はダメで10万円はいいのか」と問われると、自民党案提案者の藤井比早之議員は「10万円はキリが良く分かりやすい」と説明。5万円だとキリが悪いと言わんばかりで、意味不明だ。

「自民党は『奇数ではダメ』と考えているようです。パー券は通常1枚2万円ですから、3枚売れば6万円となり『5万円』の基準を超え、公開の対象になってしまう。だから、彼らからしたら偶数でないと都合が悪いわけです。かといって、『6万円超』『8万円超』ではキリが悪い。『10万円超』が最も据わりが良いということです」(官邸事情通)

なし崩しは許されない

■維新は自民に“助け船”か

 不自然なのが維新だ。議員個人に拠出され、使途公開義務がない「政策活動費」を巡るスタンスがハッキリしない。維新案は、年間の支出額に上限を設け、使途の報告書や領収書は10年後に公表するというものだ。立憲や国民民主党が掲げる「禁止」よりも緩く、50万円超の支出項目の開示しか義務付けていない大甘の自民党案に寄り添っているように見える。

「例えば、外務省が作成する外交文書は即時公開すると支障を来す恐れがあるため、30年後に開示するルールがある。維新が念頭に置いているのは、こうした考え方だろう。『外交関係など使途の公開になじまないものもある』との理由で使途公開を拒む自民党と平仄を合わせたような案だ。維新は自民党に“助け舟”を出し、最終的には水面下で握るつもりではないか」(永田町関係者)

■立憲は「パーティー温存」

 肝心の立憲は何とも情けない。24日の特別委で自民党の山下貴司元法相が、立憲の大串博志選対委員長や岡田克也幹事長が近くパーティーを開く予定で、安住淳国対委員長は既に開催したことを指摘。すると、立憲案提出者の本庄知史議員は「法案成立・施行前は各議員の判断に委ねるのが党の方針だ」と答えるのがやっと。改正案でパーティーの全面禁止を訴えているのだから、開催を控えるのがスジではないのか。

「与野党ともに本当にヤル気があるのか微妙な展開になっている。特に立憲は『自分たちは自民党とは違う』と金権政治への反対姿勢を貫き通すべきです。ところが、結局、自民党と本音は同じで集金システムを温存したいということなのでしょう。このままでは、政治改革はなし崩しになってしまいかねない。野党も国民の怒りを理解していないとしか思えません」(政治評論家・本澤二郎氏)

 自民党は週明けにも公明党や野党と修正協議を始める見込み。裏金事件の実態解明は進まず、規正法改正も妥協案に終われば、批判は野党にも向かうだろう。

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