首位浮上の新井広島はなぜ得点力不足でも勝負強い? 秘訣は「伝統の機動力野球」復活にあり
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月19日 11時41分
新井貴浩監督(C)共同通信社
18日にセ・パ交流戦は全日程を終え、セ・リーグは広島が2位から首位、阪神が首位から2位と順位が変わった。
巨人は3位と順位は変わらなかったが、首位とのゲーム差は3に広がった。巨人の交流戦は8勝9敗1分け。打率.241(7位タイ)、72得点(トップタイ)、防御率2.78(8位)で、2022年以来2年ぶり8度目の負け越し。これまで交流戦で負け越した7度のシーズンは、全てリーグ優勝を逃しているという不吉なデータがある。
巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言う。
「72得点はトップでも、9者連続安打を含む23安打で18点を取ったロッテ戦で稼いだだけ。全体的には相変わらずの貧打で点が入らず、開幕から踏ん張っていた投手陣に我慢がきかなくなりつつあります」
同じく貧打の阪神も交流戦の打率.212(11位)、38得点(10位)、防御率2.37(3位)。7勝11敗と失速し、セの首位から陥落した。
「投高打低の得点力不足は、巨人以上に深刻。阪神の場合は、安打も出ないので、岡田監督も采配のしようがありません」(前出の高橋氏)
“2強”がパ相手に苦しむ中、首位に浮上したのが広島である。交流戦は10勝8敗の5位。17年以来、7年ぶりの勝ち越しで、22年まで3年連続最下位の鬼門で貯金2をつくった。交流戦期間中の防御率1.85(1位)は断トツ。42失点(1位)も最少だった。
広島で投手コーチや編成部長などを歴任した川端順氏がこう言った。
「昨季までと比べて最も大きな変化は、センターラインの守備陣が劇的に強化されたこと。今季は遊撃に小園ではなく、守備力の高い矢野が入った。鉄砲肩と守備範囲の広さで、ヒット性の当たりを何本もアウトにしている。二塁の菊池との二遊間コンビは、12球団ナンバーワンでしょう。センターの秋山の守備範囲も広く、センターラインは鉄壁。遊撃だった小園を三塁に回すと、打撃が開花する(打率.292でリーグ2位)相乗効果もあった。新井監督の眼力が投手陣の安定感につながっています」
■強固なリリーフ陣も強みに
先日ノーヒットノーランを達成した防御率1位(0.96)の大瀬良、同3位(1.49)で7勝を挙げている床田の左右二枚看板に、森下、アドゥワが5勝ずつと先発陣が整備された。アドゥワは佐々岡前監督時代までは中継ぎでフル回転していたが、新井監督が就任した昨季は、ロングリリーフなどで存在感を発揮。今季から先発に転向させたのも指揮官である。
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