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新生ラグビー日本に「ファンタジスタ山沢拓也」という希望 大敗イングランド戦で大歓声浴びる(永田洋光)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月24日 9時26分

新生ラグビー日本に「ファンタジスタ山沢拓也」という希望 大敗イングランド戦で大歓声浴びる(永田洋光)

独走トライを決めた山沢拓也(C)日刊ゲンダイ

 22日に国立競技場で行われたラグビーのテストマッチ、リポビタンDチャレンジカップ2024。日本代表指揮官に復帰したエディ・ジョーンズHCの初陣として注目を集めたイングランド代表との1戦は、日本が17対52と大敗した。前任時の2015年W杯イングランド大会で強豪・南アフリカを相手に空前のジャイアントキリングを起こすなど、日本ラグビー躍進の礎を築いた名将の下でジャパンはどうなるのか。ラグビー取材歴30年以上のスポーツライターの永田洋光氏がリポートする。

 国立競技場に殺伐とした空気は流れなかった。日本代表(世界ランク12位)が、イングランド代表(同5位)に17対52と大差で敗れたにもかかわらず、だ。

 理由は明白。

 イングランドにとっては、ニュージーランド遠征途上の、いわばウォーミングアップ試合。目的は、オールブラックス戦に向けたチームの調整だ。

 一方、日本にとっても、二度目の就任となったエディ・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が、6日から始まった宮崎合宿で本格的指導に取り組んでまだ2週間あまり。目論んだのは、目指す「超速ラグビー」を担う能力を持つメンバー探しと戦術のテストで、世界屈指の強豪は最初の関門として格好の相手だった。

 つまり、両チームとも、27年に開催されるW杯オーストラリア大会を見据えた長い準備の、いわば第一段階。ファンも、それを織り込んでいたから殺伐とした空気にならなかったのだ。

 負傷者が相次いだことも手伝って、日本のメンバーは大幅に若返った。

 昨年9月のW杯フランス大会・イングランド戦(12対34)に出場したメンバーは、控えも含めた23名中、キャプテンのFLリーチ マイケル、LOワーナー・ディアンズ、SH斎藤直人、SO松田力也、CTB長田智希、WTBジョネ・ナイカブラの6名だけ。スクラム最前列のフロントロー3人に至っては、イングランドの先発メンバーが合計207キャップと百戦錬磨のベテランを揃えたのに対して、日本は3人合計で3キャップ。経験値には圧倒的な差があった。

 それでも、立ち上がりに3対0とリードした日本が、攻める方向を巧みに変え、背後のスペースにキックを落として“超速”を予感させるアタック仕掛けると、4万4千人を超える観客は、その可能性に反応して大いに沸いた。懸念されたスクラムも、イングランドから反則を誘うなど、若いフロントローが、それなりに健闘した。

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