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ジャパンはあまりに“ウブ”だった…判で押したようなモール攻撃でマオリ・オールブラックスに完敗(永田洋光)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月1日 17時10分

■攻撃の選択肢はもっと用意しているはずなのに…

 確かに、強化を始めたばかりのチームには課題が多い。

 特に、前半に5回あったゴール前ラインアウトのチャンスをモールにこだわりながら、得点に結びついたのは、共同ゲームキャプテンを務めた原田のトライに至った1度だけ。「この1週間、モールにこだわって練習してきた」と原田は振り返ったが、攻撃の選択肢はもっと用意しているはず。

 先週に続いてFBで先発して活躍した矢崎由高や、この日もトライを挙げたWTB根塚洸雅のようなランナーもいるのに、判で押したようにモールを組んでチャンスを逃すのでは、勝負という点から見れば、ジャパンはあまりにも"ウブ"だった。

 山沢は、「モールでペナルティのアドバンテージが出たらバックスで攻める用意もしていた」と明かしたが、そうなったときに「相手はボールを渡さないように嫌らしいことをやってきた」。

 つまり、勝利に執念を燃やすトップレベルの駆け引きに、対応できなかったのだ。

 それが、先発15人の総キャップ数が52、控えを含めても23人で合計76と、リーチ マイケル(85キャップ)1人分にも及ばない若いチームの限界なのかもしれない。

 やはり共同ゲームキャプテンで、チーム最多の21キャップを持つSH斎藤直人は言う。

「アタックして、ちょっとブレイク(突破)した後のミスが本当に多かった。そこでトライを獲り切らないとテストマッチには勝てない」

 27年W杯オーストラリア大会を見据えた長い強化の第一段階とはいえ、チームの目標は世界の強豪を倒すこと。それなのに、いつまでも選手の見極めに試合が消費され、結果ではなく可能性ばかりがクローズアップされるのでは、代表に対するファンの信頼も揺らぐ。

 若手の発掘・育成と、チーム強化という、矛盾しがちな命題の両立を迫られているジャパンは、この隘路をどう打開するのか。

 7月6日は、豊田スタジアムでふたたびマオリ・オールブラックスに挑む。

▽永田洋光(ながた・ひろみつ) 出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

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