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U30世代に政治参加を促す能條桃子さん「20代の国会議員が1人もいない。だから少子化対策もずれてしまう」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月5日 9時26分

 ──なるほど。「らっカンガルー」が一番多いんですね。

 みんな漠然とした将来不安はあるけど、誰かがなんとかしてくれるかなと思っている。一方で、自己責任を内面化しているところもあって、だから、貯金したり、NISAをやったりしているんじゃないでしょうか。

 ──NO YOUTH NO JAPANの活動はデンマーク留学中に始めたんですよね。

 5年前の2019年、21歳の時です。デンマークで若い子たちが、声を上げたら変えられる、と活動している様子にインスピレーションを得て始めました。

 ──デンマークの若い人たちの活動。具体的には?

 私がいいなと思ったのはコミュニティーなんです。政治団体、ユースパーティーですね。選挙の時はこのユースパーティーから何人かを政党の候補者として出す。ただ、政党とは独立した運営をしていて、代表も20代、13歳から29歳が所属するので、若者と言っても年齢も幅広い。週に1、2回、事務所に集まって、ご飯を食べながら、どの政策に取り組むべきかとか作戦会議をして。ちょうど私がいた時にデンマークで政権交代があって左派系の政権になったんですけど、みんなが喜んでいた。聞いたら、若者のメンタルヘルス対策で7年くらいかけて活動していたことが政策として実現したと言っていました。これは私たちの課題だ、と政党を超えて柔軟に取り組んでいるのが、すごく面白いなと思いました。

■政治家が給食の時間に来て、ご飯を一緒に食べる距離感

 ──デンマークでは学校教育の中で、政治はあなたたちの身近なものですよ、と教えているから違うんですか?

 それはあると思いますね。例えば、友達に「政治家と会ったことある?」と聞いたら、「なんで聞くの?」「会ったことない人いないでしょ?」みたいな反応でした。日本で中学生や高校生に同じ質問をしたら、「会ったことない」と答える人の方が多いじゃないですか。ところが、「普通に来るじゃん」みたいな感じで、いいなと思ったのは、授業とか講演会ではなく、給食の時間に来るんですよ。で、普通にご飯を一緒に食べる。私がいる間にも、首相や党首が来て、「日本から来ました」と言ったら、「日本に行ったことあるよ」とか言われて。こんなに身近なのかと。政治家が、自分の意見を伝えるためではなく、今の子が何を考えているか知りたいから話すために来ている。その距離感は、日本とすごく違うと思いました。

被選挙年齢の引き下げを

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