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U30世代に政治参加を促す能條桃子さん「20代の国会議員が1人もいない。だから少子化対策もずれてしまう」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月5日 9時26分

 ──どうしたら日本でも若者にもっと政治参加してもらえるのでしょう?

 NO YOUTH NO JAPANの活動を5年やっている中で、最初はやっぱり若い世代が変わらないと政治も変わらないって思ったんですよ。でも、こんな政治を見て若い世代に関心を持てと言う方が無理だと、同時に思ったりして、行ったり来たりしているんですけど。「若者に責任がある」という語り方をしてても変わらないと思うので、今、私たちが最も力を入れているのは、25歳や30歳にならないと選挙に出られないという被選挙年齢を引き下げることです。

 ──選挙権は18歳からになりました。被選挙年齢もそこまで下げたい?

 20代の国会議員が、今一人もいないんですよ。なのに少子化対策とか言ってて。だからずれたことになってしまう。多様な若い人たちがいると想定するには、若い人や女性が、何人も入っていないと議論にならない。当事者不在の政治を解消する必要が、国政でも地方議会でもあると思います。

 ──少子化対策では、東京都のマッチングアプリもずれてませんか。

 マッチングアプリで結婚する人はすでにその存在を知っているから、東京都がつくっても意味がないですよ。本来、本気で少子化対策をやろうと思ったら、見なきゃいけないのは10代後半から20代、30代くらいの人たちのはずなのに、その人たちはあくまで客体であって、主体ではない。主体は、少子化対策をビジネスにしている事業者なわけじゃないですか。結局、市場経済の中での事業者主体の少子化対策になっているんです。

■出会いではなく経済の問題

 ──どうしたらいい?

 もっと若い人たちが生きやすい社会にしてほしい。貯金しないと不安で、年を取るのも不安。子供を持つのも不安。だから自分で準備する。でも、これだけ中学受験が過熱してしまうと、少しでも自分が親にしてもらった状況より良くしたいと望んでも、できないなと思う。子供の数が減っていくのも、そうだよなと思うんです。だったら、公立学校をもっとよくするとか、いま奨学金を抱えて返済している人たちの負担を軽くするとかしてほしい。東京の家賃が高すぎて、もう一人暮らしできないんです。でも、するしかない。そうしたら、可処分所得が減って暮らせないから残業する。その結果、外に遊びに行く時間も精神的な余裕もないから、出会う時間もない。必要なのは、出会わせるところじゃなくて、経済の問題が大きいと思います。若い人たちだけで話したら、こんな話ばっかりですよ。

(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)

▽能條桃子(のうじょう・ももこ) 1998年、東京都生まれ。慶応大学大学院経済学研究科修士卒。2019年、若者の投票率が80%を超えるデンマークに留学し、「NO YOUTH NO JAPAN」設立。インスタグラム(フォロワー約10万人)で選挙や政治についての発信、自治体・企業・シンクタンクとの協働などを展開中。22年、政治分野のジェンダー平等を目指し「FIFTYS PROJECT」立ち上げ。2つの一般社団法人で代表理事。同年、米誌「TIME」次世代の100人に選出。

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