安さだけじゃないチャイニーズEV! BYD第3弾「シール」はコスパに加えて味だってスゴい
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月7日 9時26分
“アザラシ”たるイメージはほぼナシ(写真)小沢コージ
【小沢コージ クルマは乗らなきゃ語れない】
BYD シール
(車両価格:¥5,280,000/税込み~)
◇ ◇ ◇
ま、マジか? 想定外の長澤まさみCMでクルマ好きたちを戸惑わせている中国新興EVブランド、BYDがまたやってくれた。
昨年1月に400万円以下スタート(補助金込み)SUVのATTO3、9月に300万円以下コンパクトのドルフィンを発売。それに続いて今回は第3弾たるEVセダンのシールを発売したのだが、これが意外にも「安さが一番の売り」ではないのだ。それ以上に走りであり、上質感が凄いから絶妙に恐ろしい。
サイズは全長4.8m×全幅1.875mでテスラモデル3やBMWi4らを意識したプレミアムセダンクラス。
何よりスタイリングが競合に負けない流麗フォルムで、正直SEAL=“アザラシ”たるイメージはほぼナシ。ドルフィンとは違うBYD版レクサスのような佇まいだ。
インテリアもBYDとしては珍しく(?)シート表皮に上質ナッパレザーを採用。トリムにスウェード生地や質感の高いパネルを採用し、今までの「安くて良質なアジアEV」という趣きではない。
航続距離575km、0-100km/h加速が3.8秒!
自慢のデジタル性能も充実しまくりで、テスラも驚く縦横回る15.6インチの横長ディスプレーを備え、メーターも完全デジタルな10.25インチ。加えやたらデカいパノラミックルーフや運転席助手席シートヒーター&ベンチレーション、2カ所のスマホワイヤレス充電、PM2.5空気清浄システムから4Gインターネット接続、BYD自慢の幼児置き去り検知システムを全車全グレード標準装備だ。
骨格もATT03らと同じeプラットフォーム3.0ではあるが、シールに関してはさらに剛性と効率を高めたセルトゥボディを採用。加えてパワステはダブルピニオンでフィールを高め、AWDモデルは可変ダンパーと、かつてないiTACというスリップ制御システムを採用している。後者はタイヤの空転ではなく、モーター軸の空転を検知して制御するもので、レスポンスが恐ろしく速い。滑りやすい路面の走りが気になる。
最後に走りを決定付けるパワートレインだが、電池はBYD自慢の燃えにくいリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで、容量は82kWh強。後輪駆動のRWDは313psを発揮し航続距離は640km。四駆のAWDは前後モーターで530psを発揮し、航続距離575kmで、0-100km/h加速が3.8秒と激速!
BYDは日本では「ズルい存在」
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