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夏休みの移動はエコノミークラス症候群に要注意 わずか3時間の“缶詰め状態”が致死的な血栓を生む

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月7日 9時26分

「脱水という意味では、アルコールには脱水作用がありますから、お酒をたくさん飲んでから動かない状況を続けるのは、肺塞栓症の危険性がアップします」

 昨年亡くなった中村メイコさんは、12月25日にテレビ番組の収録に臨んでいた。息を引き取るまでの6日間の詳細は不明だが、生前は仕事を控えていたわけではない。同じ年の8月には本紙コラム「生きるクスリ」に登場。「私にとってのエネルギー源はお酒ですね。(スコッチの)オンザロックにちょっとお水を入れ、毎日7、8杯は飲みます」と元気エピソードを披露していた。正月休みに一年の疲れを癒やそうと、大好きなスコッチを飲みながらゆっくりしているうちの“悲劇”だったのか。

■座り続けないことが肝心

 こうしてみると、肺塞栓症の発症は60~70代がピークで、男女別では女性に多いが、条件次第で年齢も性別も問わずに起こり得ることが分かるだろう。「動かない」「脱水」が2大リスクで、「脱水」を招く要素として「トイレ問題」や「飲酒」も含めて、これらの要素が重なりそうな状況はとにかく避けることが、肺塞栓症の予防には重要だ。ほかに気をつけることはないか。

「まず妊娠した女性は血液が固まりやすくなる状態になることがある上、運動も少なくなりがちで要注意です。もうひとつは糖尿病や高血圧などの生活習慣病があって動脈硬化を起こしていると、静脈でも血栓ができやすいと考えられます。また、がんも血液が固まりやすい。こうした人は、持病の治療を受けながら、こまめに体を動かすことです」

 脚の筋肉は心臓に次ぐ第2のポンプといわれ、静脈の血液は脚を動かすことで流れがよくなる。体を動かすのは、散歩やジョギングといったスポーツではなく、掃除や料理など屋内の作業でも十分。「座り続けないことが肝心です」という。

 万が一、肺塞栓症を起こしたら、血栓を溶かしたり、血を固まりにくくしたりする治療が必要だが、急性肺塞栓症を起こした人のうち5割近くは治療して1年後も血栓が溶け切らずに残っているという報告もある。3割は生涯にわたって再発予防の治療が欠かせないとされる。

 だれでも発症する厄介な病気だけに、これから夏休みに飛行機や新幹線などに乗るときは、こまめに水分補給しながら、ためらわずトイレに行って脚を動かそう。

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