広島が夏場一気に巨神ベイを突き放す予感…リリーフ陣運用から見えた混沌セV争いの行方
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月10日 17時48分
![広島が夏場一気に巨神ベイを突き放す予感…リリーフ陣運用から見えた混沌セV争いの行方](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/gendainet/gendainet_1057321_0-small.jpg)
新井監督の采配にブレなし(C)共同通信社
巨人、広島、阪神、DeNA……。上位4球団が1ゲーム差にひしめく大混戦のセ・リーグ。
本紙スポーツ編集部の公式Xで、「4球団の中でどこが優勝するか」とのアンケート調査を行ったところ、昨季覇者の阪神が最多の36%、続いて巨人27%、広島21%、DeNA16%という結果となった(9日21時時点)。
勝負どころの夏場を迎え、優勝争いの行方は混沌としているが、しかし、各球団の投手の運用には明らかな違いが見られる。ここに、優勝争いのカギがあるのではないか。
■連投数、球数急増
Xの「プロ野球連投情報」によると、今季の救援投手の登板数(8日時点)は消化試合数に多少の違いはあれど、広島228、阪神228、DeNA228と横並び。巨人は250と最も多い。
一方で、投手のイニングまたぎの回数は広島がリーグ最少の11で、巨人24、阪神31、DeNA33と続く。ちなみに、最多はチーム防御率がリーグワースト3.37のヤクルトの42。回またぎが多いということは当然、リリーフ投手にしわ寄せが及んでいることになる。
ここまでの連投数に大差は見られない。トータルの2連投数は広島35、阪神39、DeNA34、巨人41。今のプロ野球は極力、救援投手の3連投を避けたり、休養日を設けるなどして負担を減らしている。指名打者制を採用していないセは、必然的に救援投手の登板機会が増える。
が、7月に入って、連投数に顕著な変化が表れた。
7月2~7日の6連戦(巨人は5試合)、4勝2敗で勝ち越した阪神の2連投数は岩崎、ゲラの2度を含む12球団最多の6。3勝3敗のタイだったDeNAも5と続いたが、広島は1勝5敗と苦戦が続いたものの、3にとどまった。
この期間の救援投手の総登板数も阪神、DeNAの21に対し、広島は18。各投手の球数は多く、阪神は岩崎の65球を筆頭に、石井63球、ゲラ52球。リリーバーにとってハードな1週間だったのがDeNAで、抑えの森原の72球をはじめ、京山、中川、ウィックの4人が55球以上を投げた。広島は森浦の51球が最多で、黒原44球、栗林40球、島内39球だった。
阪神、DeNAは勝ちを拾うため、これまでと打って変わってリリーフを惜しみなくつぎ込んだ一方で、広島は苦戦しつつも、極力ブルペンに負担をかけない選択をしたといえるだろう。
評論家の高橋善正氏がこう言う。
「広島は大瀬良、床田、森下、九里ら先発陣が安定している。長いイニングを投げるスタミナもある。先発が踏ん張っている分、リリーフの負担は小さくて済みます。阪神、巨人も先発は揃ってはいるが、広島は救援陣もリーグ屈指の粒ぞろい。抑えで22セーブ、防御率0.86をマークする栗林を筆頭に、島内、森浦、黒原、塹江、矢崎らは、それぞれ登板数は違えどほぼ防御率1点台。6勝6敗19ホールドの島内が一番悪くて防御率2.80ですからね。
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