「緑茶王国」静岡の生き残り戦略…海外展開に明るい兆し、1本2万円超の高級ボトル茶も話題に
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月11日 9時26分
海外市場の開拓で特に力を入れるのは、うまみ文化が根づく国だという。
島田市の農家は茶葉をおかずとして食べる
小松氏が強調するように、お茶の世界は深い。まず茶葉の種類が多い。島田市でも主流のやぶきた以外に20以上の品種が栽培されている。製造過程で荒茶や出物(茎茶、芽茶、粉茶)など、異なる製造物も生まれる。さらに、火入れや蒸し方などでも茶葉の味が変わり、それぞれの茶葉も淹れ方によってまた味が変わってくる。それがお茶の楽しみでもあり、難しさでもあるが、前出の前川さんはどのようにお茶を淹れているのか。
「毎日お茶を淹れている地元のおばあちゃんたちは、おいしいお茶を淹れるのが本当に上手です。大先輩に比べると、まだまだ私は半人前ですが、私が好きなのは一番簡単な水出しです。1リットルの水に茶葉のパックと氷を入れて一晩置くとうまみが出てきます」
前川さんによると、地元の人の中には、水出し茶を淹れた茶葉で次は温かい茶を淹れる人もいるそうだ。茶葉から抽出される成分の違いを楽しむという。その淹れた葉を食べる人もいて、新鮮な茶葉なら水出しの後に醤油をかけて。茶葉の天ぷらも好まれるという。
暑い時季にピッタリなのが冷茶だ。濃く淹れたお茶を氷で割って飲む方法で、水出し茶とは違う。
お茶のことを楽しそうに語る前川さんの話を聞いていると、おいしいお茶が飲みたくなる。きょうは、お茶を買って楽しもう。
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