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都知事選は現職負けなし13連勝。記録をさらに更新しましたって、本塁打トップのオータニさんかよ。(松尾潔)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月12日 9時26分

 あくまでひとりひとりの自発的で、自主的で、自律的な行動。それらがあるときは緩やかに、またあるときは緊密に結びついて、そのコミュニティを、そして本人を活性化する。民主主義そのものではないか。

 民主主義といえば「デジタル民主主義」の実現を掲げ、得票第5位となったのが安野貴博候補。寡聞にして選挙前は知らなかったけど、選挙戦後半、彼への興味が日に日に増していく自分がいた。人工知能(AI)エンジニア、起業家、SF作家(星新一賞優秀賞)という3つのキャリアの結晶といえる政策マニフェストは圧巻。ホームページで読むことができるので今からでも目を通してほしい。ただ本資料は130ページ、まとめ版でも29ページあるからなぁ。短期決戦の都知事選、しかも初戦では不利っちゃ不利でした。

 彼には超強力な援軍がいて。それはパートナーの安野里奈さん。ぼくが見たかぎりでは、彼女の演説にはどんな応援弁士、いやどんな候補者よりも東京の明るい未来をイメージさせてくれるチカラがある。うん、マニフェストを読む前に彼女のスピーチ動画を先にYouTubeで見るのがいいだろうな。結婚パーティーの新婦友人代表みたいな多幸感に満ちた佇まいにまずほっこりしてしまうが、そこから放たれる言葉のチカラよ。剛腕です彼女。夫婦ともに「対決より解決」というハッピーな姿勢を貫いているのもいい。このふたりの今後の動向からは目が離せません。

■都道府県知事は最長2期8年が限界では?

 ともあれ、これで都知事選は現職負けなしの13連勝。記録をさらに更新しましたって、本塁打数トップのオータニさんかよ。ここまで来ると、過去に一度も罷免された例がない最高裁判所裁判官国民審査に似た印象さえある。少なくとも都道府県知事に関していえば、腐敗を防ぐためにも、時代の変化にきめ細かく対応するためにも、最長2期8年が限界じゃないかとぼくは思うんだけどなあ。

 さて、旋風とも現象とも評される第2位の石丸伸二候補についても何か言わねばなるまい。実際、開票結果が出てからというもの、小池知事よりも彼についての意見を求められることが多い。約166万という得票数は、95年に青島幸男(170万)が、99年に初めて石原慎太郎(166万)が当選した時とほぼ同じ。それからの有権者数増加を考慮してもなお、都知事選において十分な実効性のある数字だ。伏兵が大健闘したね? なんて上から目線で呑気におもしろがってる場合じゃないって。

 小池都政の過去8年間に大きな失望をおぼえ、今後にも希望を抱くことができずにいるぼくだがひとつだけ女帝に感謝したいことがある。それは石丸候補の当選を阻んでくれたこと! ま、同時にご自身も退場してくださればもっと感謝したんですけど。

(松尾潔/音楽プロデューサー)

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