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熟睡のためのエアコン使用法「3つの誤り」を正す この夏も災害級の暑さに

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月15日 9時26分

 このところ原材料高の影響などで電気料金は全国的に値上がり傾向だ。やむを得ず「タイマー運転」にしている人もいるだろうが、それでも設定時間が短い傾向があるという。これが2つ目の誤りだ。

「熱帯夜は寝つきが悪くなるので、『入眠のタイミングだけ快適な温度ならいい』と考えて、ベッドに入ってから1~2時間後にタイマーでエアコンを切る設定にしている方がいますが、これでは短過ぎます。タイマーでエアコンの運転を管理する場合、最低でも4時間は連続使用しないと、熟睡は得られないという報告もあるのです」

 記者の周りでエアコンの使用状況を聞いてみると、“タイマー派”はほとんどが1~2時間でスイッチが切れる設定だった。「4時間以上つけっぱなしだったら、6時間睡眠のオレにとってつけっぱなしとほぼ同じ。タイマーで電気代を節約する意味がない」(50代男性)という解釈は、節電する上では理にかなっているが、こと熱帯夜にエアコンを使いながら熟睡するという点では誤りなのだ。

■湿度20%低下で体感温度は4度下がる

 前述した通り、寝室の設定温度は28度。では、室温28度でエアコンを稼働させて朝までつけっぱなしなら、それでいいのか。実はそこに意外な落とし穴がある。

「エアコンを室温28度にして運転すれば、室温は確かに28度でキープされます。しかし、そのままでは湿度が下がり過ぎるため、体感温度としては“適温”から“寒い”に変わる可能性があるのです。低湿度の悪影響に気づいていない方は、意外と少なくありません。低湿度対策が盲点になっているのです」

 ダイキン工業は、湿度の違いで被験者の体表面温度がどう変化するかをサーモグラフィーで可視化する検証試験も行っている。室温は28度。被験者12人に湿度85%の環境で皮膚温度の上昇を確認してから、室温は28度のまま湿度を60%に下げたところ、12人中10人は手や顔の表面温度が顕著に低下していた。湿度が20%変わると、体感温度は約4度変わるという。

 蒸し暑いこの時季、必ずしも冷房で温度を下げるのではなく、除湿で室内をひんやりさせることはよくある。ダイキンが数値で示したようなことは、何となくあちこちで体感しているはずだ。では、低湿度のどこが問題というのか。

「エアコンの冷房は、室内の水分を外に放出する気化熱で冷却する仕組みで、同時に除湿もできます。その性質から、連続して使用すれば室内の水分量は減り続け、乾燥が進むのです。室温が同じなのに“寝冷え”を感じるのはそのため。エアコンをつけっぱなし運転で使用する際は、速乾素材の長袖や長ズボンの方が“寝冷え”を防いで朝まで熟睡できます」

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