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【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月16日 9時26分

松尾 美しすぎる光景。じゃあ、そのときに、初めてじっくり話した感じなんですか?

南野 そうなんです。だから3月末は、ユッコと本当にたくさん話したんですよ。仕事現場で会うこともわりと多かったし。

松尾 その年、岡田有希子さんは松田聖子さんが作詞して坂本龍一さんが作曲した「くちびるNetwork」で初めてオリコン1位を記録しましたからね。亡くなったのは、まさにその直後、1986年4月8日。

南野 ……理由がいろいろ言われていた中で「そうかなあ」というのと「違うかも」というのが交ざった複雑な思いがありました。ただ「そんな恋愛の悩みじゃないんじゃないかな」っていうのは率直に思うんです。実際のところはわからないけど。

松尾 岡田さんが亡くなって、ご自分は精神的に不安定になりませんでしたか?

南野 実は、彼女が亡くなった2日後に新曲の「悲しみモニュメント」が初めてTBS系の「ザ・ベストテン」にランクインしまして、周りの大人たちはすごく喜んでいるけど、自分はそんな気分にもなれず、かといって取り乱すでもなく、そもそも、18歳だから友だちが亡くなるって、年齢的にめったにないじゃないですか。「私はどう振る舞ったらいいんだろう」ってすごく悩んだ記憶があります。

■「はいからさんが通る」は当初、どうなの?と…(南野)

松尾 わかる気がします……。今回「ザ・ベストテン」の出演映像を収録したブルーレイBOXが出ましたね。何より痛感するのは、この時代のヒット曲は「熱心なファン以外の人でも口ずさめる」ってこと。その意味でいえば、10曲目の「はいからさんが通る」の衣装の「袴・編み上げ」スタイルが、卒業式シーズンの定番になったことなんて、まさに当時のヒット曲の影響力の凄まじさを象徴していますね。

南野 それまでは振り袖が卒業式の定番の装いだったんですよね。それもあって、ある呉服屋さんから「振り袖の方が高いんで、ちょっと微妙ですけど」とか言われながら、表彰されたことがありました(笑)。

松尾 それはそれは(笑)。でも、さっきも言いましたが、当時は細かく聴き込んでなかった僕が、いまプロの耳で聴いてみると「秋からも、そばにいて」はよくできてるなあ。大袈裟ではなく屈指の楽曲ですよ。

南野 ありがとうございます。あの曲はレコーディングで初めて曲を聴いたときに、頭のパイプオルガンが重厚な感じで、好きなストリングスもいっぱいで、すごく気に入ってたんです。でも、あがってきた詞が「サークルの部員同士の恋愛」で「何でこの曲にこれをハメんの? 一体、どういうセンス!」って当時かなりキツくなじったんです(笑)。

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