1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

経団連の会長人事 後継レースは「ソニー吉田憲一郎会長」を軸に置くという説(有森隆)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月17日 9時26分

経団連の会長人事 後継レースは「ソニー吉田憲一郎会長」を軸に置くという説(有森隆)

次期会長?(ソニーグループの吉田憲一郎会長)/(C)共同通信社

【企業深層研究】経団連の会長人事(上)

 日本経済団体連合会(経団連)は5月31日、都内で定時総会を開いた。十倉雅和会長(住友化学会長)の任期は残り1年となった。十倉氏は記者会見で後任の会長人事について、「後任者は決めていないが、選ぶのに困るくらいたくさん適した人がいる」と述べた。

 歴代会長は副会長で、製造業の会長か社長から選ぶケースが目立つが、十倉氏は「もう製造業にこだわる時代ではない。いろんな業界から適正な人物を選びたい」と話した。

 日本製鉄の橋本英二会長(68)、ソニーグループの吉田憲一郎会長(64)、日立製作所の東原敏昭会長(69)、NTTの澤田純会長(68)と、久しぶりに会長候補の資格を持つ有力副会長が揃った。

「十倉さんがソニー推しなのか、自分が会長に指名してもらった恩義を感じている日立乗りなのか。もうひとつはっきりしない」との声が出ている。

 十倉氏は14代会長、中西宏明氏(日立製作所会長)が病に倒れたため、急きょ、リリーフとして15代会長に就いた。その後、中西氏が亡くなり、“ポスト十倉”の後任会長には日立の東原会長(中西会長時代に副会長に就任)を選ぶのではと取り沙汰されている。

 日立の東原氏は財界活動に熱心。任期満了を待たずに亡くなった中西前会長の衣鉢を継ぐという話になれば、経団連にとっても日立にとっても悪い話ではない。ただ、日立出身の会長が短期間のうちに続けば、「十倉さんは他社から激しい突き上げを食らう。中西さんの後継という以外に東原さんに“切り札”がないのが弱いところだ」(経団連関係者)。

 十倉さんは大勢に順応するタイプといわれている。流れを見て、それから札を入れても遅くないと考えているのかもしれない。誤解があるといけないので書いておくが、「その一方で、筋は通す頑固な一面もある」(前出の経団連関係者)。

 今年、副会長になったソニーの吉田会長は「十倉さんが副会長になってもらいたいと特に口説いたスペシャルカードだ」(十倉氏に近い経団連幹部)。吉田副会長に経団連の企業行動・SDGs委員会の委員長を任せたことでも、期待の度合いは分かろうというものだ。このテーマは十倉氏が重視しているものだ。

「会長レースは吉田氏を中心に動くだろう」と予想する財界人が増えている。

 ソニーでは創業者のひとりである盛田昭夫氏と出井伸之氏が副会長をやっている。吉田氏の副会長就任は約20年ぶりのことだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください