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いいリハビリ病院を見分けるには看護師が重要なのはなぜか【正解のリハビリ、最善の介護】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月17日 9時26分

いいリハビリ病院を見分けるには看護師が重要なのはなぜか【正解のリハビリ、最善の介護】

酒向正春氏(C)日刊ゲンダイ

【正解のリハビリ、最善の介護】#37

「先生、私のおじいちゃんは脳卒中で亡くなったんです。その時、私は中学生で、どんどん弱っていくおじいちゃんに何もできなくて、つらくて……。それで看護師になったんです。どう頑張ったら、おじいちゃんを良くしてあげられる看護師になれるでしょうか」

 当院で働いている看護師=リハビリナースの入職時の言葉です。いい回復期病院には、いいリハビリナースがいます。その条件は、「それぞれの患者さんの毎日のリハビリ治療を一日一日、気持ちよく支える方法」を理解していることです。それには3つのポイントが求められます。

 1つ目は「気持ちのいい挨拶と笑顔」が基本です。リハビリナースは、患者さんに気持ちのいい挨拶と笑顔を提供することで、患者さんが元気になることをわかっています。2つ目は、「担当の患者さんの健康管理ができること」です。これは再発予防や全身管理に必須です。3つ目は、「患者さんの障害度を評価して、患者さんに寄り添いつつ、その障害を一緒に改善すること」です。これにより、患者さんを回復させていくのがリハビリナースなのです。

 もう少し具体的にお話ししましょう。まず、リハビリナースは実際にどのように患者さんの健康管理をしていくのかについてです。

 よく知られている、血圧、脈拍数、呼吸酸素飽和度、体温、体重、排尿、排便、栄養、清潔保持の管理は大前提として、以下の10項目が大切になります。

 ①救急処置・全身管理・リハビリ支援看護②脳血管・脳神経疾患看護③運動器疾患看護④内部疾患看護⑤廃用症候群対応・在宅支援看護⑥認知症・BPSD・睡眠管理看護⑦排泄(排尿・排便)看護⑧摂食嚥下栄養・褥瘡管理看護⑨内服薬・ポリファーマシー(多剤併用)対応看護⑩感染症管理看護です。

 なぜ、この10項目が必要かというと、この10項目に回復期病院に入院するすべての患者さんの対象疾患が含まれていて、その病態を理解できるからです。それに基づいて適切な再発予防と全身管理ができるようになります。そして、患者さんの問題行動や問題症状の病態を理解でき、的確な看護計画を立てることができるのです。さらに、感染症を管理して、ポリファーマシーを解決して初めて、人間力の回復を支援できるようになります。このため、リハビリナースは主治医や薬剤師としっかり連携して、相談し合う姿勢が必要です。

 患者さんの健康管理における重要なリハビリ看護10項目についてのさらなる詳細は、あらためて詳しく説明します。

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