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大人気の2型糖尿病の飲み薬が引き起こす性感染症リスク 心血管イベントや死亡率は減少するが…

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月18日 9時26分

大人気の2型糖尿病の飲み薬が引き起こす性感染症リスク 心血管イベントや死亡率は減少するが…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 いままでと異なる仕組みで血糖値を抑制する糖尿病新薬が続々と開発され、血糖コントロールがしやすくなった。半面、意外な副作用が生じるケースもある。そのひとつが「性感染症リスク」だ。そもそも糖尿病の人は神経因性膀胱(ぼうこう)により細菌が膀胱に繁殖しやすく、膀胱炎や尿路感染症が増えるとされている。糖尿病薬の中には、それに拍車をかけるものもあるという。糖尿病専門医で、「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

「2型糖尿病の飲み薬であるSGLT2阻害薬には副作用に性感染症が明記されています。実際、複数あるSGLT2阻害薬の尿路・性感染症に関する副作用には、陰部掻痒症、膀胱炎、細菌尿、外陰部膣カンジダ症、外陰膣不快感、亀頭包皮炎、真菌性性器感染、股部白癬、外陰部炎、トリコモナス症などの病名が並んでいます」

 陰部掻痒症とは外陰部から肛門にかけて起こる強いかゆみや痛がゆくなる症状の総称を言う。外陰部は女性のプライベートゾーンのひとつで、かゆみのある部分が赤くなる場合があり、かきむしって傷ができて化膿することも多い。外陰部膣カンジダ症は、カンジダ菌と呼ばれる真菌が外陰部ならびに膣に繁殖する病気で、かゆみが出る。比較的よく見られる性感染症だ。

 亀頭包皮炎は陰茎の先端部にある亀頭とそれを取り巻く包皮の両方に炎症が起きる病気のこと。ちなみに亀頭のみの炎症は亀頭炎、包皮のみは包皮炎という。包皮が翻転できない乳幼児に多い病気だが包茎男性も罹患することがあり、陰茎の先端部が赤く腫れて痛くなったり、陰茎の先端から膿が出たりする。

 トリコモナス症は膣トリコモナスという原虫により引き起こされる膣または尿道の感染症で、女性は泡状の黄緑色の生臭いおりものが出て陰部が痛がゆくなる。男性は泡状の分泌物が出て排尿時に軽い痛みやかゆみが生じる。

「トリコモナス症は女性は1回、男性は5~7日間抗菌薬を飲むことで治癒します。性交渉で感染しやすい性感染症で、女性の方に圧倒的に自覚症状が出ます」

 これらの病気は淋菌症などの他の性感染症を併発しやすいことが知られているだけに注意が必要だ。

■米国は生殖領域のまれな重篤感染症を警告

「とくに気になるのは米国食品医薬品局(FDA)が2018年8月末に生殖領域ならびに性器周辺で生じる予後の悪い感染症・フルニエ壊疽をまれに発症することがあると警告したことです。このときFDAは処方情報や患者服薬ガイドに追加するよう要求しています」

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