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佐野元春さんに以前から訊きたかったことを問うてみた(松尾潔)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月19日 9時26分

佐野元春さんに以前から訊きたかったことを問うてみた(松尾潔)

【松尾潔のメロウな木曜日】#93

♪恋人よ、これが私の一週間の仕事です。テュリャテュリャテュリャリャ♪

◆木曜(7月11日) パーソナルトレーニングの日。ぼくは食べることが大好き。20代の終わり、人間ドックで「食べる量を減らすか運動量を増やすかしないと、このままだとカラダ壊すよ」と忠告を受け、迷わず運動量を増やしたほど。小学校時代の水泳、ミニバスケットボールに始まり、カラダを動かすのは苦にならない。ただ長時間のランニングは苦手。妄想が止まらず集中できないから。それ以外をいろいろやって現在に至る。夜は祝いごとでホテルビュッフェ。ケーキとコーヒーのとり過ぎでなかなか寝つけず。自業自得。

◆金曜(12日) 30代に入って最もハマったのがボクシング(のマネごと)。一時はハマりすぎて、トレーニングの合間に少しだけ音楽の仕事をする、みたいな時期も。ハードなメニューを消化できなくなってから久しいが、いまでも関わりがある下北沢の老舗・金子ボクシングジムの主催試合を観るべく、後楽園ホールへ。

 一番の目当ては長年贔屓にしている細川チャーリー忍選手の3年ぶりの復帰戦。OPBFとWBOアジアパシフィックのミドル級元王者の細川は、2021年には松山ケンイチ主演のボクシング映画『BLUE/ブルー』で東出昌大の対戦相手役を務めたほど「絵になる」ボクサー。R&Bスターのディアンジェロを思わせるニヒルな風貌と粘っこい戦闘スタイルが、何ともぼくごのみである。実戦から3年離れていたが、来月迎える40歳を目前に3-0の判定勝ちを収め、見事なカムバックをはたした。

 相手の酒井幹生選手(日本ミドル級3位)も重いパンチが印象的ないい選手。まだ30歳だから、細川とはおよそ10歳の歳の差がある。細川が苦境に立たされるたびに、ぼくの脳裡にアリスの名曲「チャンピオン」の一節〈年老いた悲しみを見た〉が流れだすのには往生した。「チャンピオン」は稀代のリリシスト谷村新司が綴る、老王者が若き挑戦者に敗れゆく物語。大スクリーンの映画でしか描けないような興奮と哀感、それを音だけで表現することに成功したアリス最大のヒット曲である。

 同曲は昭和の名ボクサー、輪島功一の77年6月の最後の試合に想を得たといわれる。3度目の世界王座返り咲きを懸けてニカラグア人王者に挑むも、11回でKO負けを喫した試合だ。小学4年生のぼくも父親と一緒にテレビにかじりつき、輪島が王者に猛攻をかけるたびに大声を張り上げ、強打に見舞われて足がもたつくと悲鳴をあげたものだ――。

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