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指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月20日 9時26分

指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

写真はイメージ

 指の関節が痛くなったり、赤く腫れると真っ先に関節リウマチを疑う人は少なくない。しかし、梅雨の時季に痛みが悪化するなら「へバーデン結節」の可能性が高いという。国内の患者数は推定300万人とされ、40代以降の女性に見られやすいのが特徴だ。有効な治療法はあるのか? 「オクノクリニック」総院長の奥野祐次氏に聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 へバーデン結節は、指の爪の真下にある第1関節(DIP関節)に、痛みや腫れといった症状が現れる指の変形性関節症だ。ほかにも手指のこわばりや、人によっては第1関節付近に水ぶくれのような粘液嚢腫(ミューカスシスト)が生じるケースも見られる。炎症が長期間続くと、指が横方向へ変形したり屈曲して、外見的な悩みを抱える人も少なくない。

「気圧が低い梅雨の時季は、体の外側からかかる空気の圧力が低下しやすく、関節内の圧が高まり痛みが強まります。ストッキングをまくり上げたり、パソコンのキーボードを打つ、ペットボトルの蓋を開けるなど、第1関節に負担がかかる動作で痛みが増し、日常生活に支障を来しやすい」

 へバーデン結節を発症する主な原因は、加齢と指の酷使だという。とりわけ女性の場合、更年期の時期になると女性ホルモンであるエストロゲンが減少するが、このエストロゲンには抗炎症作用や血管を正常に保つ働きがある。エストロゲンの減少により関節に炎症が起こると、炎症や腫れが長引き、慢性化しやすいという。実際、へバーデン結節と診断されるのは40代以降の女性に多く、男性の6倍発症しやすいという。

 ただし、根本的な原因は異常な血管である「モヤモヤ血管」の増殖だという。

「人間の体は本来、異常な血管をつくらないように保たれていますが、同じ部位に繰り返し負担がかかるとその部位の組織は傷つき、修復させようと新たに毛細血管がつくられます。これが『モヤモヤ血管』で、一時的につくられた血管なため非常にもろく、水や線維が漏れ出して赤みや腫れを引き起こします。また血管が増えると必然的に神経も増えるので、過敏になった神経により痛みが生じます。モヤモヤ血管は40歳を過ぎた頃からできやすく、近年はスマホの使いすぎによる指の酷使も関係しているといわれています」

 診断は、視診で赤みや腫れ、変形を確認するほか、手指の変形を起こす関節リウマチと鑑別するため血液検査が行われる。確定診断にはレントゲンが用いられる。

■7割は3年後も症状改善が継続

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