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ラグビー新生日本代表 直近5試合「1勝4敗」で見えた5つの課題(永田洋光)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月23日 9時26分

ラグビー新生日本代表 直近5試合「1勝4敗」で見えた5つの課題(永田洋光)

原田衛(ラグビー日本代表vsマオリ・オールブラックス)/(C)提供写真

 元イングランド、豪州監督のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が復帰した新生ラグビー日本代表の船出は厳しいものになった。チャレンジカップ5試合の戦績は1勝4敗。「超速ラグビー」を旗印とするジョーンズHCは、次回2027年W杯での「ベスト4入り」を目標に掲げているが、実現可能なのか。ラグビー取材歴30年以上のベテランライターが5試合を通して見えた、スクラム、ラインアウト、超速ラグビー、ゲームコントロール、攻撃オプションの5つの課題を指摘する。

■欧州勢との“ガチンコ”勝負には完敗

 2015年のラグビーW杯イングランド大会以来9年ぶりに、ラグビー日本代表(世界ランク14位)の指揮を執ったエディ・ジョーンズHC。“第二次政権”のお披露目となったリポビタンDチャレンジカップ2024の5試合が、21日、イタリア(8位)に14対42と完敗して終わった。

 昨年のW杯フランス大会の代表から大きくメンバーを入れ替え、27年にオーストラリアで開催される次回W杯に向けた新戦力の発掘と「超速ラグビー」の徹底を目標にしたものの、通算成績は1勝4敗。代表同士のテストマッチは、6月22日のイングランド(5位=17対52)、13日のジョージア(12位=23対25)に続いての3連敗だ。

 非テストマッチで行われたニュージーランドのマオリ・オールブラックス(MAB)とは1勝1敗とそれなりに成果は出したが、ジョージア、イタリアといったヨーロッパ勢との“ガチンコ勝負”では厳しい教訓を突きつけられた。

 若手を起用しながら手応えをつかんだかに見えたスクラムは、格闘技大国ジョージアに上からのしかかられるように組まれるとこらえることができず、伝統的にスクラムにこだわりを持つイタリアとは、ここぞという場面での集中力に大きな差があった。

 ラインアウトも、モールからトライを狙いながら不発に終わる場面が多かった。唯一の勝利となったMAB戦では、モールにこだわらずPGで3点を刻む戦い方に変えて勝利をつかんだが、イタリア戦では肝心のラインアウトでミスを連発してボールを奪われた。

 ジョーンズHCが就任と同時に掲げた「超速ラグビー」も、相手とコンタクトした接点で強い圧力をかけられて、意図したテンポでボールを出せずに減速。手詰まりを打開しようと使ったキックも精度を欠いた。

 イタリアのFBアンジェ・カプオッツォに不用意なキックからカウンターアタックで独走を許し、そこからトライに結びつけられた36分のプレーはその典型。ストレートをファウルで粘られた剛速球投手が、根負けして投じた甘い変化球を痛打されたようなトライだった。

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