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天才物理学者アインシュタインの脳に見られる特徴とは?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月23日 9時26分

天才物理学者アインシュタインの脳に見られる特徴とは?

アルバート・アインシュタイン(C)UPI=共同

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 頭がいい人の脳はどうなっているのか? 誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか?

 天才物理学者としてよく知られるアルバート・アインシュタイン。特殊相対性理論、一般相対性理論を提唱し、1921年にノーベル物理学賞を受賞した彼は、生涯を通して研究を続けました。腹部大動脈瘤で亡くなったのは1955年4月18日、76歳の時です。

 アインシュタインは崇拝者が現れないよう、死後の遺体は火葬し散灰するよう言い残していたそうですが、彼が亡くなった病院に勤務していた病理学者が独断でアインシュタインの脳を取り出し保存。後に脳は切り分けられ、多くの研究者に提供され、さまざまな分析が行われました。

 それによると、アインシュタインの脳の重さは同年齢の男性と変わらなかったそうです。一方、前頭葉のうち前方にある前頭前野の皺が多くて長かった。つまり普通の人より表面積が広かった。

 前頭前野は系統発生的に人間で最もよく発達した部位であり、個体発生的には最も遅く成熟する脳部位。「考える」「行動や感情をコントロールする」「記憶する」「応用する」「集中する」「やる気を出す」といった人間らしく生きるために必要な働きを担っています。

 また、神経細胞に栄養を送ったり、ダメージを修復する役割を持ち、高度な思考能力を発揮することに関連するグリア細胞も多かったと報告されています。

 さらに注目したいのが、アインシュタインの脳では、左右の大脳半球をつないでいる神経の束=脳梁が太かったということ。

 脳梁が太くて神経線維の数が多いことで、左右をつなぐネットワークが密接であることが考えられ、左脳と右脳の情報伝達の効率が良かった可能性があります。

 アインシュタインの天才ぶりには、前頭前野、グリア細胞、左脳・右脳のネットワークが関係しているといえるかもしれません。ただし、アインシュタインに関しては、その脳の特徴が、遺伝的なものか後天的なものかは突き止められていません。

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 脳の左右差は、どういう働きの違いがあるのか? 左脳は言語、計算、理論など論理的・概念的思考の役割を担い、右脳は音楽や芸術、発想やひらめきなどといった感性の役割を担っています。

 しばしばいわれる「左右の脳をつなぐ脳梁は男女差があり、女性の方が太い」というもの。「女性の方が脳梁が太い」という研究結果は1982年に男性9人、女性5人の解剖データが基になっているもので、否定する研究結果が複数出ています。「男性脳、女性脳は存在しない」ことを示す研究結果も出ており、現在は、男女の脳には平均値を見れば差があるものの、脳は男女差ではなく個人差が大きいと捉えられています。

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