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認知症リハビリでは具体的にどんなことを行うのか?【正解のリハビリ、最善の介護】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 9時26分

 そこで、さらに筋力と体力を上げるために、われわれの施設ではマシンや器具を使った純粋な筋力トレーニングを100歳の方でも行っています。とりわけ、お尻の筋肉が痩せて衰えると転倒リスクが高くなるので、「転ばないお尻とたくましい太ももをつくりましょう」というキャッチフレーズを掲げ、お尻を含めた下肢の筋力をアップさせるトレーニングに力を入れています。さらに、腹筋、背筋、上半身の筋トレにも取り組みます。

 ただし、いくら軽くても、その方が持ち上げられない重さのバーベルを無理に持ち上げるよう強制してしまうと楽しくありませんし、“拷問”になってしまいます。なので、その時点で5キロのバーベルを10回しか持ち上げられない方であれば、まずはその強度かそれ以下からスタートさせ、クリアできれば「しっかりできましたね。次は10キロで10回を3度行うことを目標にしましょう」といったように評価しながら本人のやる気を促し、週単位でゆっくりと重さや回数を増やしていく必要があります。また、担当のスタッフやトレーニングに臨んでいるほかの方たちと交流するようにして切磋琢磨できる環境を整えることも大切です。

 施設に入居している期間はマシンを使って筋トレできるけれど、自宅にはマシンがないから難しいという人には、毎日ではなくなりますが、通所リハ(デイケア)で継続ができます。また、以前もお話しした「立ち上がり訓練」を行ってもらっています。イスに座った状態から、手は使わずに腰を浮かせてスッと立ち上がります。立ち姿勢では床に踵をつき、膝と股関節を伸ばします。次に上半身を少し前に倒してお辞儀するような姿勢で腰を落とし、ゆっくり再びイスに座ります。ドスンと座ると、圧迫骨折の原因になります。

 この動作を連続して30回が1セット、朝、昼、晩と1日3セット行います。30回×3セットですから1日合計90回です。ただしこれは最低限の回数で、可能ならば50回×3セット、1日合計150回行います。この訓練を継続して行えば、足腰の筋力や股関節の動きが安定して、転倒骨折が起こりにくくなるのです。

 予防リハで行うのは筋力トレーニングだけではありません。次回詳しくお話しします。

(酒向正春/ねりま健育会病院院長)

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